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星野リゾート、各ブランド強化で自立化へ-GoToは「シンプルに」、2021秋発表会

  • 2021年10月14日

 星野リゾートはサブブランド「星のや」「界」「OMO」のブランドを強化し、マスターブランド「星野リゾート」からの自立化をめざす。10月13日に開催された記者会見で、同社代表の星野佳路氏は本誌の独自インタビューに応え、「『星野リゾート』というマスターブランドの影響力を弱めてサブブランドが規模感を増し、自立を積極的に促していくことが星野リゾートのブランド戦略」と説明。各ブランドでできる宿泊体験が異なることから同じブランドでまとめることは不可能とし、「我々の規模が小さい時は予算が取れずマスターブランドのスケールを活かす戦略を取らざるを得なかったが、各サブブランドの規模感が増したので親離れしてもらう」と考えを語った。

星野リゾート代表の星野氏

 星野氏は記者会見で「『星のや』は自立し、『界』が親離れの努力中。『OMO』も(施設が増えるので)自立をめざす段階になってきた」と説明。今後はサブブランドのイメージのさらなる明確化をはかる。

 具体的にはブランドコンセプトや施設名を変更。星のやはブランドコンセプトを今までの「現代を休む日」から「夢中になるという休息」に変更。界は今まで施設名の前につけていた「星野リゾート」をなくしており、例えば「星野リゾート 界 箱根」は「界 箱根」となる。OMOは施設の前につけていた「星野リゾート」を後ろに変更。例えば「星野リゾート OMO5 東京大塚」は「「OMO5東京大塚 by 星野リゾート」となる。

OMOの展開加速化、コロナ禍でのベストな運営を

続々と増える「OMO」

 都市観光ホテルブランド「OMO」については展開を加速。11月1日に「OMO5沖縄那覇by星野リゾート」をグランドオープンするほか、11月5日には京都・祇園にブティックホテルにあたる「OMO5」を開業する。2022年には1月7日にベーシックホテルと位置付ける「OMO3」を東京・赤坂と札幌、「OMO5」を小樽にそれぞれ開業し、4月22日にはフルサービスホテル「OMO7」を大阪・浪速区にオープン。2022年春には現在の5施設から10施設に増えることになる。

 星野氏は本誌の独自インタビューに応え、「星野リゾートにとって都市観光市場への参入は重要。日本全国に20、30軒のOMOが展開できれば全体のスケールメリットが強くなる」とコメント。平時であればOMOの拡大は10年、20年かかるとしながらも、コロナ禍での施設運営が評価されたことで新規案件の声がかかりやすくなっていることを説明し、「コロナ禍でのベストな運営・サービスの実現は我々には十分可能。オーナーの皆様の期待に応えたい」と意欲を述べた。

 OMOについては現在開業日を発表している案件以外に、横浜市旧庁舎を利用したホテルなど約5軒のプロジェクトが進行中。星野氏は訪日市場や国内市場が19年並みに戻ると予想する25年に向け、OMO全体の規模や体制を整えたい考えを示した。

アイヌの伝統を活かした「界 ポロト」

 記者会見では、ほかにも「界」が22年に2施設を開業することを発表。1月14日には北海道・白老町に「界 ポロト」を、夏には大分県に「界 由布院」を開業する。

 このほか、星野氏はかねてから取り組んでいた北米進出について現状を報告。温泉旅館として進出する予定で、調査チームが米国内の温泉地を視察しているという。

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