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ハワイの「今」を駐在員の視点から-再び静かなリゾート地へ、窮地に立つ観光産業

 10月になり、ハワイも早朝や日没後はTシャツ姿ではさすがに肌寒く感じる日が増えてきました。市中では月末のハロウィンに向けての準備も始まっており、秋の訪れを感じています。

 盛況だった今夏とは一変し、秋の閑散期に入ったこと、デルタ株の蔓延に伴う州知事の渡航自粛要請もあり、ワイキキは再び混雑の見られない静かなリゾート地に戻っています。まだまだ、コロナウイルス関連の報道ばかり目につく毎日ですが、私生活ではコロナ対策、仕事では観光客減少と旅行業従事者には特に厳しいハワイの状況をレポートします。

賑やかだったワイキキのホテルも閑散としています。

ハワイにおける新型コロナウイルス感染状況

 2021年10月1日のハワイ州の新規感染者数(7日間移動平均値)は、州合計で約267名。カウンティー(郡)毎の新規感染者数は以下の通りとなっています。

市郡陽性率州全体ホノルルマウイハワイカウアイ
新規感染者数(7月)5.7%288.4名190.9名29.6名62.3名5.7名
新規感染者数(8月)8.1%863.3名601.7名89.6名138.6名33.4名
新規感染者数(9月)3.6%267.3名178.4名20.9名49.6名18.4名
2021年10月1日現在:State of Hawaii, Department of Health

 デルタ株の猛威により8月は新規感染者数が1000名を超える日もありましたが、9月からは順調に下降を続けています。未だ身近に感染者が出る状況ですが、学校から届く「職員(生徒)に感染者が出ました。濃厚接触者には個別に連絡します。その他はプライバシーのため詳細はお伝えできません。」という通知が、来ない週も出てきました。

 しかしながら、新規感染者の減少に反して、死亡者数が1日10名を超える日が数日あり、9月中頃には最多の15名の死亡者が出た日もありました。7月の1ヶ月間に20名だった死者数が、8月は52名、9月は193名と大幅に増加しています。現在も、日々10名弱が死亡しており、死亡率は1%、この状況は10月中旬まで続くだろうと発表されています。また、入院患者の15%はワクチン接種済み者の「ブレイクスルー感染」であることも明らかになっており、まだ暫くは予断を許さない状況が続くと思われます。

ハワイにおける新型コロナワクチン接種状況

 2021年10月1日時点でのハワイ州のワクチン接種完了者の割合は以下の通りとなっています。

州全体ホノルルマウイハワイカウアイ
68%70%61%64%65%
2021年10月1日現在:State of Hawaii, Department of Health

 今年5月より12歳以上の全州民対象で接種されているワクチンですが、課題だった接種スピード鈍化の問題も、8月から急拡大したデルタ株に対する危機意識の高まりにより解消されています。

 ホノルルでは2回接種完了者が大台の70%に到達していますが、1回接種完了者数は既に全島で70%を超えており、一番遅れているマウイ島でも72%に達しています。3回目の接種、「ブースター接種」の対象者も65歳以上、または基礎疾患のある50歳以上の住民を対象に9月後半より始まっています。人口140万人のハワイ州でのワクチン接種回数は既に200万回を超えており、この数値は接種可能な12歳以上の人口に当てはめると90%に相当すると報じられています。

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