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企業と場、体験のマッチングで新しい旅の目的の実現からトラベル業界の活路を開く-PerkUP 浅生亜也氏

提供するのは箱ではなくチームビルディングができる場
「日常」をキーワードに働き方を考える

-ベンダーである宿泊施設にとっては、体験という価値を加えた上で新しい需要を開拓することができるわけですね。

浅生 そうですね。これまで宿泊施設自身が営業しなければならなかったところに新しいチャネルを提供するということが1点あります。また、クローズドでビッド形式にすることでグループレートもオンラインで扱えるようにしたので、宿泊施設がお客様に対してダイレクトに滞在の価値を上げる提案ができる点もメリットだと考えています。

 また、地域のアクティビティは宿泊施設が手の出しづらいところですが、顧客からのニーズはあり、手間がかかっていた部分でした。サイト内では利用者がそうした手配もできるようにしています。

 将来的にはルーミングやアレルギーに関する情報などのやり取りもすべてサイト上で完結できるようにして、案件ごとにデータを集約し、担当者が代わっても引き継ぎが容易にできるようにしていきたいと考えています。

-現在登録されている施設はどのくらいありますか。

浅生 10月時点で約100件の施設の登録があります。東京発のニーズが多いため、エリアとしては東京の都心から2、3時間以内の施設を集中して選んでいますが、年末までに全国に声掛けしていきたいと思っています。

-キャッシュポイントはどこにあるのでしょうか。

浅生 企業からはサイト利用にあたっての手数料、宿泊施設や体験コンテンツ提供者からは送客手数料をいただきます。手数料はそれぞれ15%としています。

-ビジョンに掲げる「豊かなワークスタイルを実現できる社会」についての考えをお聞かせください。

浅生 私たちは、自分たちで働き方や生き方を選べるということが豊かなワークスタイルだと考えています。コロナ禍になり、一時はそれが実現しそうな雰囲気がありましたが、実際は会社単位だけでなく、国の労働の制度から変えていかなければならないものだということが見えてきています。豊かなワークスタイルは組織的に作っていかなければなりません。それを実現する社会にするためには、第一歩として会社の意識が変わる必要があるのではないでしょうか。コワーケーションを実体験することもその一助になると思っています。

-読者へメッセージをお願いいたします。

浅生 辛い2年で心が折れそうになっている方、折れてしまった方も多いと思います。ですが時間は不可逆なので、私は元に戻そうという不要な力は使わないことにしています。必ず国境は開くし、人は動き出し、財布の紐も緩む。今は思考の時間だと思っています。新しい旅行に何が求められるのか、どうしたら人が訪れてくれる新しい目的を作ることができるのか。業界としても色々なことを考え、仕掛けをして、来年以降ポジティブな方向に進めるように活動できればいいですよね。「日本経済の復興に観光以外はない」と自負して、この業界を諦めずに、ともに成長していきたいと思います。

-ありがとうございました。