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コロナ禍中も力を入れる国内ホテル展開-ミナシア代表取締役社長 下嶋一義氏

ホテル単体ではなく地域の特色を取り込んだブランディングを目指す

 ホテル・レストラン事業を全国で展開するミナシアは、10月に2軒の新ホテル開業を予定しており、コロナ禍中にあってもホテル展開を拡大している。国内宿泊需要に可能性を見出しているという代表取締役社長の下嶋一義氏に、国内市場の分析とその根拠を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

下嶋氏

-はじめにミナシアの事業内容の説明をお願いいたします。

下嶋一義氏(以下敬称略) ホテル運営事業と、ホテル内飲食施設を含むレストラン事業を全国で展開しています。ホテル事業については、スタンダードなタイプの「ホテルウィングインターナショナル」、フロアごとにデザインが異なる「ホテルウィングインターナショナルセレクト」、客室の広さにもこだわった「ホテルウィングインターナショナルプレミアム」、この3つよりグレードを上げた「テンザホテル」の4ブランドを展開しています。スタンダードとセレクトはミッドスケール、プレミアムはアッパーミッドスケール、テンザはフルサービス系に競合するクラスです。

 現在39のホテルを運営しており、10月1日に「テンザホテル博多ステーション」、10月15日に「ホテルウィングインターナショナル高松」を開業した時点で41店舗5464室を運営することになります。

-ホテルの運営形態について教えてください。

下嶋 物件は所有せず運営のみで、現在契約形態は賃貸借契約とマネジメント契約、FC契約の3つあります。宿泊ターゲットは、地方店舗が工場関係者などの方、都内店舗や大阪・博多・札幌などの都市型店舗はビジネスマン、観光地の金沢、京都などはレジャー客やカップル客が中心です。平均単価は地方が7000円から8000円、都市型スタンダードが9000円から1万円、プレミアムが1万1000円から1万3000円。レジャー型は2人利用で1部屋1万4000円から1万5000円です。

-自己紹介もお願いいたします。

下嶋 大学卒業後に東急電鉄に入社し、一貫してホテル事業を担当しました。フロントからベル、ドアマン、ハウスキーピング、会計、宴会、レストラン等ほぼすべての部署を経験し、マネジメントについても総支配人の補佐をしながら学ばせてもらいました。米国では最先端のホテル運営ノウハウも学べました。帰国後にはグループ事業部でホテル事業再編を手がけました。

 東急を離れてからはソラーレホテルアンドリゾーツの初代マーケティング部長、OTAのオクトパストラベルジャパンの代表取締役、アゴダインターナショナルの初代日本代表、楽天トラベル国際事業副部長、グルーポンジャパンのトラベル事業本部長、口コミサイト運営のTrustYouの代表取締役を経て昨年末からミナシアに関与することになり、お誘いを受けて今年2月に代表取締役に就任しました。これまでに培った経験の集大成としてミナシアでの仕事に取り組んでいます。

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