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「着地型観光ガイド」でインバウンド復活に備えるーひょうご観光本部 専務理事 松浦幸浩氏

長期的なガイド育成と滞在型コンテンツ造成で受け入れ基盤を整備

 大阪府、京都府など観光地として人気の高い地域に隣接している兵庫県は、その便利な立地ゆえに観光客数は少なくないが、日帰りで楽しむ人が多いのが現状だ。その点に着目し、兵庫県では2019年から着地型観光の推進に取り組んでいる。県内の観光産業の現状、今後の展望などを公益社団法人ひょうご観光本部の専務理事を務める松浦幸浩氏に聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

松浦氏。インタビューはオンラインで実施した。
-はじめにひょうご観光本部とご自身についてご紹介をお願いいたします。

松浦幸浩氏(以下敬称略) 私は今年の4月から、DMOであるひょうご観光本部の専務理事に着任しました。観光に携わるようになって3年目で、2019年は兵庫県の国際観光課で主にインバウンド関係の観光振興、2020年は観光企画課でコロナ禍にある観光業をどう支えていくかに取り組んできました。

 ひょうご観光本部は、DMOに登録される前は「ひょうごツーリズム協会」の名前で県内の観光振興に関わる様々な取り組みを行ってきました。2019年8月に「公益社団法人ひょうご観光本部」へ名称を変更するとともに、候補DMO法人に登録され、2020年3月にDMOに認定されました。当時は2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピック、2021年にはワールドマスターズゲームズ2021関西、さらに2025年には大阪・関西万博と大きな国際イベントが予定されており、この機に世界の人々に兵庫を訪れてもらうことを目指して県内の観光の中核を担うDMOになったという経緯です。

 兵庫は大阪や京都などの人気観光地に近く、公共交通機関も発達している反面、日帰りで楽しむ方が多く、宿泊客が少ないという現状があります。経済面を考えると、滞在周遊型の観光が肝になると考えており、大阪へ行ったついでではなく、兵庫を目的地にしてほしい。そのため「世界に選ばれるデスティネーション兵庫」という目標を掲げ、活動を行っています。

 DMOは市町村単独や、隣接した市町村と連携した団体が多いのですが、当本部は県を単位としている珍しいDMOです。周遊してもらうにはある程度の広域で連携することが重要だと考えていて、県という広いエリアで連携し、そのルート上に良い観光資源があることをアピールしていくことで1日でも長く兵庫に滞在してもらう観光を実現したいと考えています。

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