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マーケィング調査で見えるものと見えないもの―インプリージョン オダギリサトシ氏寄稿

DMOのCMOってエクスタシー

6月はDMOの総会シーズンですよね。
弊社でもDMOやDMO候補法人、観光協会のお手伝いをやっていますので
法人の中期事業計画作りから単度計画の一部まで
いろいろとサポートさせてもらいました。

その中のひとつに
「KPIを設定するための」マーケティング調査のスキームがあります。

候補法人さんによっては
KPIを設定するための「数字」を持ってらっしゃらないようで
比較的安価に「数字」が拾えるのと、
必須オプションで?「オダギリとの飲み会」がついてくるので
いろいろなDMOさんから重宝いただいています。(オプションの方は知らんけど)

私としても
数字を拾うことでいろいろなディスティネーションの「個性」や「クセ」が見えてきて
ええ勉強をさせてもらってますし、ご当地の美味しいもんを食べられますので
楽しい仕事の一つです。

とはいえ
この調査で分かるのは本当にベーシックな「数字」のみです。
KPIを取るには十分ですが
この「数字」だけでは戦略立案が難しいのです。

このベーシックな「数字」が無駄なのではなくて
もちろん重要なんですけど
マーケティングリサーチで顧客が真実を答えているかなんて甚だ疑問ですし
そもそも
自分がこのディスティネーションに来た理由なんて
自分でも意識してない人が多いはずです。

リサーチ上では訪問の目的を
「ご当地グルメの〇〇を食べるため」という回答をしたとしても
本人は無意識のうちに
①夫婦の時間を過ごしたかったと思っているかもしれないし
その逆に
②家族(家事)から解放されたかったと思っているかもしれません。
特に②のような一般的にネガティブな印象を与える方の理由って
なかなか引き出すのが難しいのです。

なので
賑わうディスティネーションづくりをするためには
現場に出てお客様と交流して肌で感じ
あるいは自分が顧客になりきって
顧客が「意識もしてないけど喜びそうなこと」を創造するしかありません。
スティーブジョブスみたいに
“Our task is to read things that are not yet on the page.”
なんでしょう。

私は外部の専門家として
(愛をもって真剣に考えて)好き勝手戦略案を言いましたが
この難しくてクリエイティブな仕事を
地域の様々なステークスホルダーを納得させながら実施するなんて
DMOのCMOってエクスタシーのある仕事やなぁと思います。

皆さんの総会が前向きにすすみ
CMOがエクスタシー感じながら祝杯を上げられることを願っています。

最後にまたまた事業再構築

ここまで書いて
コラムの締め切りから目をそらし現実逃避をしている間に
第1回の事業再構築の採択結果が発表されました。

おかげさまで採択されました。
中小企業庁さま
ありがとうございます。


そのことをフェイスブックで報告し
他にもコロナで困っている友人の経営者の応援しようと
書類申請手伝うよと書いたところ
投稿から1時間ほどで5社からDMが来ました。

さすがに次回の締め切りが7月2日で
短期間で沢山は対応できないので受付をストップしましたが
皆さん苦戦されていたようです。

申請書類特有の言葉の解釈でサポートしたり
私の申請書類とかも見てもらいながら
全力でサポートしたいと思います。

ここの読者の方でも
申請の相談があればHPから連絡をください。
7月2日締め切りの分はさすがに間に合いませんが
その次以降でよろしければお手伝いいたします。

といっても
物理的にすべての会社を手伝うことができないので
熱いメッセージをいただいて相性が合いそうな方のお手伝いさせてもらいます。
これが本業じゃないので
そこらのコンサル屋さんより激安の成功報酬でやりますよ~

<過去記事はこちら>
第5回 GWで考えた、観光地にもブランディングが必要な理由と観光産業が生き延びる術
第4回 お金を使わない観光客はダメ?サスティナブルな地域観光を実現するために
第3回 観光まちづくりの人材確保、モチベーションを上げる妙案
第2回 それでもワーケーション、やりますか?
第1回 コロナとこれからの地域観光経営を考える

オダギリ サトシ
株式会社インプリージョン代表取締役。旅行会社向けに大阪の着地型旅行商品をODM開発する他、全国各地の自治体の観光集客アドバイザーや委員を務める。大阪商工会議所ツーリズム振興委員、「世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業」の専門人材、観光庁「広域周遊観光促進専門家」。