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ドイツ、需要回復は23年と予想、「German.Local.Culture.」で地方観光とサステナブルツーリズムを促進

  • 2021年6月17日
西山氏

 ドイツ観光局(GNTB)は6月15日、プレス発表会をおこない2020年の状況やコロナ後の展望を報告すると共に日本における今後のキャンペーン展開を説明した。なお今回は東京・虎ノ門のアンダーズ東京でのリアル発表会をオンラインで中継するハイブリッド形式で実施した。

 20年にドイツを訪れた旅行者の発地を大陸別に比較すると、オセアニアからの渡独旅行者が前年比85.5%減、アジアからは81.6%減、アメリカからが78.9%減だったのに対し、欧州内の渡独旅行者数は59.2%減にとどまった。需要回復の見通しについては、ドイツ国内の感染状況や各国の渡航制限の動向次第で不安定な状態が今後数カ月間は続くとしている。また23年には需要回復が見込まれるが、出張需要が減少するため宿泊数の水準は19年の86.4%にとどまると予想している。

 日本市場に関しては、2020年1月~2021年1月の13カ月間の日本人ドイツ宿泊数が前年同期比78.2%減で、このうち2020年4月から2021年1月までは10カ月連続で90%以上の減少幅となった。回復が期待される23年には19年比4%増の125万泊を期待しているとした。また団体旅行比率が低下し個人旅行比率が上昇するほか、欧州周遊型からドイツだけの1国集中型旅行へ旅行スタイルの変化が起きると分析している。さらにパンデミック後のサステナブルツーリズムの傾向に関する国際調査で、日本は「促進する」との回答比率が中国、アメリカに次いで高く、旅行業界としてもサステナブルやSDGsをより意識した取り組みが重要になると指摘した。

 パンデミック後の日本人の旅行意欲についてはJTBの調査を引用。「コロナ前と変わらない旅行をしたい」15%、「国境が開き次第海外旅行に行きたい」13.8%、「隔離不要になったら海外旅行に行きたい」16.9%などの数字を挙げ、海外旅行再開を待ち望む人々が一定数存在するとした。さらに阪急交通社の調査で「20人以上のツアーが理想的」との回答が、コロナ前の50%からコロナ後には11%まで急減していることからツアー参加人数の縮小が好まれるとした。

大畑氏

 これらの分析からGNTBは日本市場におけるコロナ後のターゲットをヨーロッパ旅行に特に興味を持つ60代以上の男女と40代女性に定めると共に、「安心して旅行できる国としてのドイツのイメージアップを図る」(GNTB大畑悟広報マネージャー)としている。

 2021年の日本におけるキャンペーン計画については、世界的なパンデミック直後の昨年3月から開始したSNSキャンペーン「#Discover Germany From Home」を5月で終了。6月からはドイツの町の多様性を前面に打ち出し、中小規模都市の旅行素材を訴求しつつ地方観光の促進とサステナブルツーリズム促進を図る目的で「German.Local.Culture.」キャンペーンを実施する。

 キャンペーンは文化体験等の「German.Local.Flair. 粋」、職人技等の「German.Local.Craft. 匠」、ビールやワイン等の「German.Local.Taste. 食」、サステナブルや自然体験の「German.Local.Green. 緑」という4つのテーマに沿って、12月までおこなう。具体的には6月中旬から8月にかけてゲーテ街道のクロスメディアキャンペーンを実施し、9月から11月まではクリスマスマーケットのプロモーションを実施する予定だ。

ドイツ観光局キャンペーンスケジュール

 加えて7月から10月までは「グローバル・サステナビリティ・キャンペーン2021」の一環として「FEEL GOOD Sustainable travel in Germany」も実施。SDGs指標でトップの値を示すドイツの優位性を活かしたイメージ戦略を展開する。

 ドイツ政府は6月6日から日本からの入国制限を解除し、PCR検査又は抗原検査の陰性証明かワクチン接種の証明があればドイツ入国が可能になった。GNTBの西山晃アジア地区統括局長・日本支局長は「ドイツ入国が可能になっても日本の渡航制限の緩和が伴わなければ旅行商品の造成ができず、帰国後の隔離措置が残る間は観光目的の個人旅行も動きづらい。人の動きは日本側の国境事情にかかっている」として日本側による規制緩和への期待を示した。