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【マレーシア現地レポート】マレーシア最大の祝日、コロナ禍の中で迎える2度目のハリラヤ

観光産業の今

 旅行については日帰り、事前に旅行会社を通じて宿泊予約をおこなったもの、観光省に登録された旅行会社のツアーガイドによるパッケージツアーが認められています。州移動の許可は主催する旅行会社が国家警察に届出をおこないます。

 昨年長く続いた厳しい規制後、一時的に国内旅行が活発となりリゾート地では70%を越える稼働率まで回復しました。しかし、今年に入り、MCO、CMCOと州をまたいでの移動が出来ない地域が首都圏で多くなり、また、発令が非常に突発的であることから、なかなかリゾート地への旅行計画が立てづらくなっており、各旅行会社も募集型主催旅行を見合わせているところが圧倒的に多くあります。

ペナン島ビーチ

ペナン島ジョージタウンの様子、観光客に人気の人力車は休止中です

ホテル

 全体的に落ち込んでいますが、リゾート地域では活動制限のレベルにより稼働率のアップダウンがあります。ビジネス需要の大きいシティホテルと、海外からの長期旅行者やバックパッカーなどが宿泊が多いホテルは長く苦戦しています。また大型ホテルでは宿泊部門、宴会部門の人員を縮小するなどの対策がとられています。一方、海外からの帰国者が利用する隔離指定ホテルは稼働率としては安定しており、中には満室状態になっているホテルも出てきています。

現地旅行会社

 日本や先進国に比べると国からの援助が非常に低く、ようやく本年度に入り観光省より旅行業者1社あたり3000リンギット(約8万円)の補助金が一度だけ出されました。ローカルの多くの旅行会社は休眠処置をとっておりますが、日本人マーケットを主に扱う日系旅行会社、オペレーターは従業員への減給をおこないつつ、再入国サポートや隔離ホテル手配、オンライン事業や新規事業立ち上げなど、各社さまざまな工夫をしながら更なる長期戦に向けて活動をおこなっています。

 2020年3月18日に発令された第1回目のロックダウンから1年2ヶ月となりました。多民族国家のマレーシアでは宗教別の行事がそれぞれあり、その度に人の往来が活発になり感染者数の増減が日本よりも大きく出ています。但し、マレーシア政府の決断と行動は非常に早く、今回のロックダウンも発令の翌日から施行されています。今が正念場だと、ポストコロナの新しいマレーシアを紹介出来るよう、業界一丸となってがんばってまいります。

山賀美穂
S.M.Iトラベル マレーシア 代表
日本、シンガポール、オーストラリアで学生時代を過ごし、S.M.Iトラベル大阪事務所で勤務後、13年前より憧れだった東南アジア生活をマレーシアにておくっています。観光業(SMI Travel)・撮影業(Zahara Production Sdn Bhd)・物販(SMI Marketing Sdn Bhd)の代表としてマレーシア・シンガポール、インドネシアの3カ国より提供しております。