【マレーシア現地レポート】マレーシア最大の祝日、コロナ禍の中で迎える2度目のハリラヤ
こんにちは。私は東南アジア8ヵ国でインバウンドとアウトバンドをおこなっておりますS.M.Iトラベルの山賀美穂と申します。これから数回にわたりコロナ禍のマレーシアの現状をお届けしたいと思います。第1回目はラマダンやマレーシアのワクチン接種状況、観光業の現在をレポートいたします。※現地時間の2021年5月11日の情報となります。
そもそもラマダンとは?
そもそもラマダンとはどのようなことかご存知でしょうか?ラマダンはイスラム暦の9ヶ月目をアラビア語で示したもので、最も神聖なイスラムの月の1つとされています。ラマダン月は精神的な健康と自己規制を強化する事をおこなう、平たく言えば「修行月」のようなもので、食欲をはじめとする人間の欲を我慢するのです。
規制する欲の代表的な断食ですが、日の出から日没まで飲食を我慢します。これは単に食欲を絶つことによる空腹や自己犠牲を経験するだけの修行ではなく、貧しい人々や飢えた人々への思いやり、食べ物への感謝、そして世界中のイスラム教徒との連帯感を共有するものとされています。断食する時間帯はクアラルンプールは午前6時頃から午後19時30分頃まで(毎日数分ずつ早くなります)で、日出日没に合わせるので、例えばボルネオ島は1時間程度早くなります。
日常生活は通常通りです。学生は学校に行きますし、社会人は職場に行きます。レストランはイスラム教徒以外の方のために日中でも営業しています。多民族国家のマレーシアでは、お互いの宗教を尊重するさまざまな配慮が当たり前に身についており、例えば断食月に断食をおこなう学生には、ランチタイムに特別な自習タイムを設けたり、職場ではイスラム教徒のスタッフはランチブレイクを取らず定時時刻を早めたりなどしています。
5月10日、5月13日に1ヶ月に及ぶラマダンを終わりを祝う「ハリラヤ」というイスラム教徒にとって大切な日を迎えました。「ハリラヤ」はイスラム教徒のお正月とも言われており、正装で親族や友人、近隣住民同士が自宅に集まり、人を招いて食事をするオープンハウスがおこなわれます。
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