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【若手ホテリエ覆面座談会・後編】将来のキャリアプランは?コロナ禍のなかホテル業界で働き続ける理由は?

「苦しい時間は自己研磨の時間」 コロナ禍でもホテル業の魅力は変わらず

-新型コロナウイルス感染症(コロナ)の流行でホテル業界は大きな打撃を受けました。他業界に転職するという道もあるなか、ホテル業界でキャリアを積み重ねていこうと考える理由を教えてください

コロナの影響は凄まじく、ホテルに勤め続けることに不安を感じている方は多いと思います。しかし、ホテル、ひいては宿泊業界が疲弊しているなかでこそ、そんな状況やこれまでの世界観を変えるため、若手一人一人が自ら魅力的なキャリアプランを設計し、専門性を身につける必要があると感じています。

その意味で昨年の夏、大好きなこの業界の若手をけん引していくコミュニティを作りました。業界の各専門分野の方や経営者の方をお招きしたり、業界に所属する国内外の若手が議論したりできるようなコミュニティで、今後も不定期に会合を開催し、学びと成長の機会を広げていく予定です。ですので、マイナスイメージでの業界外への転職は全く考えていません。

コロナの影響でアルバイトや契約社員など多くの方が弊社を去り、そのしわ寄せがきているのが現状です。仕事の幅が広くなり覚える事も増え、ホテルスタッフが少ないなかマルチタスクで現場を回さなければならないのにも関わらず、収入はかなり減りました。貯金を切り崩しながら生活している状態です。

ホテリエとしてこのまま続けてもいいのか何度も考えました。しかし、「どん底を見たからこそこれからは上昇しかない。お客様も給料も増えていく一方」と逆に考えたとき、この苦しい時間は自己研磨の時間であり、自分が何をしたいのか見つめ直す時間となりました。

コロナ禍でも弊社を利用していただくお客様には、今までよりも気持ちよく過ごしていただきたいという思いが強く芽生えたのも事実です。多くの方が人との交流を求めていることにも気づけました。環境が日々変化し、成長のスピードがとても速くなっていくホテル業界に携われていることがワクワクするからこそ、これからもホテリエのキャリアを進んでいきたいと思っています。

このような状況下でも、会社が社員のことを考えていることが伝わります。コロナの影響で不安になることもありましたが、今やるべきことが目の前にあるのでそれをやるだけという思いです。ホテリエで経験し身に着けるスキルは、どこにいても活きると信じています。今後もホテリエとしてキャリアを重ねていきたいと考えています。

コロナの影響はかなり大きいです。2020年は年間でわずかな営業総利益しか残らず、純利益に至ってはマイナスでした。今年も先の見通しがつかず、昨年立てた予算ですら現実とかなりの乖離があるのが現状です。今はどんな状況でも打破するという強い気持ちを持って、知恵を振り絞るしかないのではないでしょうか。

どの業種でもコロナの影響で事業規模が縮小するのであれば、他業種に転職しても根本は変わらず、今を懸命に考え取り組むことしかないと思っています。その今の先にキャリアがあると思うので、コロナだから変わったという考えはありません。コロナで打撃を受けたとしても、観光業がなくなることはないと思っています。

先を見越す事がキャリアデザインだとして、その不確かな見通しのためにやりたくて入ったホテル業をないがしろにするのではなく、今の積み重ねがキャリアデザインと結びつけば素敵だなと思っています。

-ありがとうございました