豪州、コロナ後初の商談会、国境開放時には大規模プロモーションも

システム上では出展者のブースが並ぶ「バーチャル展示会」のコンテンツも

往来再開は州別?密回避も新たなトレンドに

 日豪間の往来再開の時期について出展者に予想を聞いてみてもはっきりとした傾向は見えなかったが、最も多かったのは年内の再開は厳しい(と思っておいた方が良い)との見方。セラーによっては年内の予約を受けないようにするよう経営層から指示があるとの声もあったほか「国民のうち国境開放を望んでいるのは2割」との情報も聞かれ、先行きの不透明さが感じられる。

 一方、示された最も早いタイミングは7月頃で、カンタス航空(QF)がシドニー線とメルボルン線について7月以降の予約受付を始めている(ブリスベン線は10月以降)のも根拠のひとつとなっている。また、ニュージーランドとの間でそうなったようにニュー・サウス・ウェールズ州など一部の州のみ先行して開放される可能性を示すサプライヤーもいた。

 こうした不確定要素の多い状況下で、観光局とセラー各社のいずれも明確な行動計画を立てられているところはなかったが、一つの明確なトレンドはオンラインでの活動の強化。例えばニュー・サウス・ウェールズ州は9月から12月にかけて毎月ウェビナーを実施したほか、ケアンズ観光局では旅行会社によるバーチャルツアーの取り組みに協力。バーチャルツアーでは、1つのツアーで端末数が200件を数えることも複数あるなど手応えがあるという。

屋外アクティビティがポストコロナのカギの一つ

 また、もう一つのトレンドは「密回避」。キャンピングカーを含めたセルフドライブやサーフィン、釣りなどのSIT、無人島での宿泊体験、アボリジニ文化を学べるブッシュウォークなどに可能性を見出す出展者が多く見られた。

 このほか、東京オリンピック・パラリンピックの動向次第との意見もあり、この一大イベントを日本が一定以上の規模で成功裏に終えることができればそれが国に対する評価となり、それが夏以降の渡航制限緩和に繋がる可能性があるとの考え。逆に、「オリンピックに向けて最大限の努力をするものと思っていたが感染者の急増を避けられず、経営陣の中で失望感が広がっている」との声もあり、いずれにしても聖火リレーの開始予定日である3月25日が今後の行方を占うタイミングとなる可能性がある。

 なお、商談会の終了後には、毎年開催されてきた現地商談会「オーストラリア・ツーリズム・エクスチェンジ(ATE)」を6月にハイブリッド開催することも決定している。