豪州、コロナ後初の商談会、国境開放時には大規模プロモーションも
オーストラリア政府観光局(TA)は2月4日と5日、オンライン商談会「オーストラリア・マーケットプレイス・オンライン」を開催した。コロナ後では初めての取り組みで、バイヤー67名とメディア3名、セラー120名が参加して2日間で合計3500件超の商談がおこなわれた。冒頭、TA局長のフィリッパ・ハリソン氏はコロナ禍にある日豪両国の旅行業界関係者へのねぎらいを語ったうえで、「今こそバイヤーとセラーが国境再開に向けた計画を話し合うのに最適な時期。TAは日本との往来再開を実現するために全力を尽くす」と協力を呼びかけた。
厳しい対策でコロナ押さえ込みに成功、旅行業の回復状況はまちまち
オーストラリアは依然として往来を厳しく制限しており、昨年11月に菅内閣が誕生した直後に豪首相のスコット・モリソン氏が来日し、日豪トラベルバブルの形成に対する期待が高まったが、日本で12月、1月と感染者数が大きく増加して急速にしぼんでしまった。
オーストラリア国内の状況はというと、西オーストラリア州やビクトリア州でロックダウンが実施されるなど散発的に動きはあるものの、厳格な対応が奏功し2月3日現在で24時間以内の感染者数は6人、市中感染は0で、7日間の市中感染も1名のみと感染をほぼ抑え込んでいる。
とはいえ現地の旅行・観光産業への影響は甚大で、昨年の後半まで州境も閉じられていたため「州内旅行」の需要に頼るのみ。雇用は経済支援策「ジョブキーパー制度」でかろうじて繋ぎ止められてきた。
現在は州境も概ね解放されて国内線の供給量も戻りつつあるが、現況はデスティネーションや業態などによって大きく異なる。例えば、今回取材する機会を得たなかで、ハミルトン島やクリスタルブルックコレクションなどは国内旅行の回復傾向を捉えてジョブキーパー制度に頼らずに経営できるまで持ち直している一方、週1日の勤務が続いていると話すセラーも複数いた。そして現行のジョブキーパー制度は3月末で終了予定で、観光への依存度が高いケアンズなどでは危機感が高まっているという。