コロナ後初の海外取材、シンガポールの現状は?ビジネスイベント開催事例も紹介
コロナ禍で安全に渡航者を受け入れる方法は?
緊急事態宣言が発出された直後の1月10日から15日にかけて、シンガポールへ渡航する機会を得た。現地でビジネスイベント復活をめざして開催されたコンベンション「PCMA CONVENING LEADERS 2021」の取材に招かれたもので、シンガポール政府観光局(STB)から不要不急ではないとのお墨付きを得た「ビジネストラック」での渡航となった。イベントの様子やSTBの戦略については別途掲載予定だが、まずは多くの読者の関心事と思われる渡航のプロセスや現地の様子について文章とフォトニュースで伝える。
渡航準備、そして激痛のPCR検査デビュー
取材の話を最初に聞いたのは11月だったが、実際に準備のプロセスが始まったのは12月末。いわゆるビジネストラックの枠組みで渡航したのだが、その許可申請についてはSTBがしてくれたためどれほどの手間隙がかかったか分からない。筆者が自らしたことは、PCR検査をして証明書を英語で書いてくれるクリニックを経済産業省のサイトから探して受検することだった。
このサイトの使い勝手もこのサイトを利用するために必要なアカウント開設手続きもお世辞にも分かりやすいとはいえず、特に後者はサイトのつくりも簡素で一瞬フィッシング詐欺を疑ってしまったくらいだが、それは本題とは関係ないのでやめておこう。
検査費用は施設によって異なるが3万円前後で、11時に検査を受けて18時に結果を取得、無事陰性だった。ちなみに検査は鼻のかなり奥まで綿棒が差し込まれ、涙がボロボロ出てきて軽くトラウマになるほどの痛み。以降何度も検査を受けることになるのだが、この最初の1回が最も痛かった。差し込む深さはどうやら担当者によって相当異なるようで、逆に浅ければ浅いでちゃんと検知できるのか不安になるというジレンマも生じる。
話がそれたが、そうして検査結果をスキャンしてSTBに提出したり自分が携行する書類を印刷したりといった作業を経て、あっという間に出発当日を迎えた。日に日に日本国内の感染者が増えていくなかで家族からは本当に渡航できるのかと疑問を呈され、自分自身も前夜までキャンセルの可能性を意識していたものの、実際にはそうはならなかった。シンガポール側の姿勢として、仮に陽性であったとしても到着時検査で漏らさなければリスクは最小化できると判断しているものと思われる。
ゴーストタウンのような成田空港、SQ機内も閑散
当日は1年ぶりの海外渡航、しかもコロナ禍ということで何があるか分からず早めに空港に到着したが、陰性証明などの書類を提示する以外に大きな変化は感じられず。ただし、自動チェックイン機は動いていたものの最後のボーディングパスの印刷ができなかった。(にも関わらず搭乗口でわざわざ呼び出され2枚持っていないかと聞かれたので、少なくともコロナ禍では自動チェックイン機を使用しない方が吉なのではないかと思う。)
空港内の人影は非常に少なく、朝早いこともあって開いている店舗の方が少ない。土産物店などが「4月8日から当面の間臨時休業」となったままになっていたのが物悲しい。
ただし、全日空(NH)の中国線でチェックインの行列ができていたのは目立っていた。そういえば、出発前のPCR検査でも中国語話者が数十人は並んでいたので、中国方面は動きはあるものと感じられる。
シンガポール線はというと、往路の機内はガラガラ(実は復路はもっと人が少なかったのだが)で、シンガポール航空(SQ)のB787型機の最後尾は照明が落とされていて真っ暗になっていた。