コロナ後初の海外取材、シンガポールの現状は?ビジネスイベント開催事例も紹介

コロナ禍で安全に渡航者を受け入れる方法は?

シンガポール到着、マリーナ・ベイ・サンズへ

マリーナ・ベイ・サンズ外観

 到着後はまたPCR検査。またあの痛みか、とビクビクしていたらさほど奥までは差し込まれなかった。ただし、喉の粘膜をぬぐってからそのまま同じ綿棒を鼻の穴に入れてくるのには閉口した。

 空港からはSTB手配の車でマリーナ・ベイ・サンズ(MBS)へ。日本からは筆者1人だったが、複数人が同じ便で到着したケースでも1人に1台が手配されていたらしい。やることが徹底していて、自分の渡航にいったいいくらかかっているのかとつい考えてしまう。

 17時ごろにホテルへ到着した後はPCR検査の結果が出るまで客室で待機となり、夕食はルームサービスが用意された。(なお、食事はこれ以降も朝はほぼすべて、昼も4回中2回は客室内でとるよう手配されていた。)

バーチャルツアー画面キャプチャ 検査結果は同日の日付が変わる頃に届いたが、翌朝は念のため海外からの渡航者全員が参加してバーチャルツアー。シンガポールにいながらシンガポールのバーチャルツアーというのも妙な気分だったが、全員の検査結果を確実に揃えつつ時間を無駄にしないためのアクティビティとしては自然な選択と感じた。

行動把握にはアプリとQRコード活用

MBSロビーでの掲示

 現地の様子は「百聞は一見にしかず」でフォトニュースに譲るが、コロナ対策として特徴的だったのは「TraceTogether」アプリやQRコードの活用による行動の追跡。前者は日本のCOCOAと同様にBluetoothで他人との接近情報を記録するもので、後者は店舗や施設への入退場時にQRコードをスキャンすることで当該ユーザーの行動を把握する。


海外からの渡航者に配布されたトークン。裏側に小さなQRコードがプリントされている

 店舗にはQRコードが設置されていて在住者はTraceTogetherアプリでそれを読み取るが、筆者らのような外国人訪問者は小型の端末(トークン)が渡され、逆にそのトークンに付いているQRコードを施設側に読み取ってもらう仕組みとなっていた。これがあるために、つい店舗に入ってみたいと思っても記録されてしまうため躊躇され、単なる行動把握だけでなく抑制のための役割も担っていたといえる。

 なお、入場・入店時は100%スキャンされたのに対し、出ていく際には求められたりそうでなかったり様々で、集められたデータがどのように活用されているのかは不明だ。