中国渡航のいま―貿易会社 北京駐在員からの寄稿
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中断されていた業務渡航が徐々に動き始めている。国や地域により対応状況が異なり、現地の最新情報を収集するのに苦労している旅行会社も多いのではないだろうか。今月初旬、北京駐在のある貿易会社勤務の女性より、中国の大連と北京へ渡航した際のレポートを寄稿していただいた。今後の手配の一助となればと掲載を快諾していただき、ここにご紹介する。
中国渡航事情報告
コロナ禍における出国情況について、個別ケースとして以下ご報告させていただきます。
渡航先:中華人民共和国渡航日:2020年12月2日ルート:成田―大連隔離地:大連 入国資格:有効居留証
事前準備
1.チケット予約現時点で北京直行便はなく、北京へのルート最短地である大連便を予約。その他、上海、厦門、広州等が可能。香港、台湾の経由は中国国内扱いにならない。
2.PCR・抗体検査予約中国政府の規定により、渡航日の2日以内にPCR検査及び抗体検査を受ける。駐日中国大使館指定の検査機関に予約を入れ、中国政府指定の検査証明書の発行を必要とする。
3.上記2の陰性証明取得後、中国大使館のサイトから「健康グリーンコード」認証を取得する。 この認証をもって初めて搭乗手続きが可能となる。
11月30日(月) | 朝 :PCR・抗体検査夕方:結果判明 陰性の検査証明書受理 |
12月1日(火) | 駐日中国大使館サイトからへ健康コードを申請https://hrhk.cs.mfa.gov.cn/H5/グリーンコードの取得が必要 |
12月2日(水) | 出国 成田 JL829 09:25―大連 |
注意:国際便の大幅な減便で、東京から成田空港への交通手段にも変更あり【12月1日時点】成田エクスプレス:日中運休京成スカイライナー:日中間引き運転京成バス:減便、東京八重洲の乗車場所が八重洲北から八重洲南へ変更
出国
搭乗手続き(1)タッチパネルチェックイン(2)特設カウンターにて、パスポート、大使館発行の健康グリーンコード、搭乗券を提示し確認を受ける
(3)中国税関のQRコードを携帯でスキャンし、「健康電子申告」を送信する。JALの職員が対応。
(4)中国税関発効のQRコードを取得する。JAL職員がコード受理を確認し搭乗手続きが終了する。この番号に基づき、中国入国後の手続きが行われる。セキュリティチェック出発当日のこの時間は、大連便とインド便のみで、平時よりスムーズ。
入国審査渡航者が少ないせいか、感染防止対策かわからないが、日本人も全て入国管理局担当官による出国検査を通過する。
搭乗体温測定し搭乗。
搭乗手続き、搭乗時以外は、平時と変わりません。
機上
搭乗率は自身の近辺しかわからないが、50%以上はあった。中国の方が多く、日本人は少ないように見える。左右2列は満席、真ん中3席に空きあり。出歩く人もほとんどいない。中国系航空会社は感染予防対策から、CAも防護服、軽食が渡されるだけと聞いているが、JALはマスクをしている以外、通常のサービスが受けられる。機内食もほぼ通常どおり。
到着後
着陸
白い防護服の中国税関職員が機内に入り、入国に関する説明がある。前から順に間隔をあけて降機。
写真撮影は禁止とのアナウンスがあり、写真好きの中国人もシャッターを押していなかった。
手続き
(1)税関健康申告
並んだ順に番号札を掛けられる
→番号順にカウンターで、日本で申告したQRコードをスキャンする
→全ての内容がカウンター上のスクリーンに表示され確認する。更に健康問診が行われる
→問題なければ、PCR検査用の容器を渡され検査室へ移動
(2)PCR検査
5つほどの検査ブースに順に入る。喉と鼻から検体採取
→新しいマスクを渡され交換を要請される
→検査結果は空港では出ず、陽性の場合、翌日午前までに本人へ電話連絡がある
(3)入国審査
入国カード記入。手続きは平時と同じ
(4)預け荷物ピックアップ
すでにターンテーブルに出ている
(5)手荷物X線チェック
(6)隔離先別カウンターへ移動
外国籍は同じカウンターへ行き書類記入
個人情報の他、大連隔離後の行き先等報告する
外国籍用には2つのホテルがあるが、一回の移動では同じホテルへ入る
5人集まると隔離先ホテルへ移動開始
退港
到着ゲート出口で隔離先移動を誘導するスタッフも防護服着用
※JALのホームページに一連の流れ、大連での入国検査手順についても紹介されています。
https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/inter/200731/