【コラム】コロナ後に求められる「観光の責任」ーリジェネラティブ・トラベルとは
日本を代表するインバウンドコンサルティングファーム「株式会社やまとごころ」村山社長の最新著書「観光再生(プレジデント社)」はお読みになっただろうか?
この本の副題は「サステナブルな地域をつくる28のキーワード」、その1番目のキーワードは「サステナブル・ツーリズム」、2番目が「リジェネラティブ・トラベル」。
コロナ前、日本の一部の観光地では急激なインバウンドの増加によりオーバーツーリズムが発生し、観光の負の側面が徐々に顕在化しつつあった。その問題を解決するため地域の「環境」「社会」そして「経済」の三つの観点において持続可能な観光=「サステナブル・ツーリズム」の重要性が説かれていたのは皆さんご承知の通りだと思います。
一方「リジェネラティブ・トラベル」は耳新しいと言う方が大半なのでは無いでしょうか。
「サステナブル・ツーリズム」の概念を超え、「観光に優しい」から「環境を良くする」と言う更に一歩踏み込んだ観光に関する先進的な捉え方で、村山さんも著書の中で「アフターコロナの時代にその存在感を強めて行くと予想される」と書かれており、私も今後は観光に関わる全ての事業者及び旅行者に当然に求められるであろう「責任」だと思っています。
コロナ後、我々観光産業に求められる事は大きく変わるだろうと思われます。例えば、二酸化炭素の排出抑制を意識した交通手段や運航会社の選択、フェアトレードを意識した選択や取引もその中に含まれます。
旅行先の環境や文化、住民生活の向上に寄与しない、安さと大量送客だけを目的とした商品だけを今後も売っていくとしたなら、早晩国内外のあらゆる観光地、そして旅行者から「NO」を突きつけられる事になるでしょう。
「観光再生」その最初の一歩は「在るべき姿」を我々自身が問い直すところからなのだと思います。
※引用させていただいた「観光再生」は日本のインバウンドコンサルティングの第一人者、村山さんがお書きになったものですが、アウトバウンド・国内旅行等観光に携わる全ての方にとって大変参考になります。ここでは二つのキーワードに触れさせて頂きましたが、残りの26のキーワードを含めた通読をお勧めします。