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運休・減便を容易に、IATAが要望-新型コロナ、航空とホテルへの影響は?【追記あり】

追記:
3月5日、IATAは影響額の予想を更新。2月20日の発表では293億米ドルとしていたところから、旅客事業単体で感染の拡大状況によって630億米ドルから1130億米ドルと幅をもたせた。
IATAロゴ(公式ウェブサイトより転載)

 国際航空運送協会(IATA)は3月2日、世界各国の航空当局に対し、空港の発着枠に関する規制を一時停止するよう呼びかけた。通常、航空会社が配分された発着枠の8割を運航しなかった場合、翌年に同じ時間帯の発着枠を優先的に利用できる権利を失うことになる「U/L(Use it or Lose it)ルール」が適用されるが、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響が旅行需要に打撃を与えるなか、IATAは同ルールを即座に停止し、2020年内は対象外とするよう要請している。

 IATAによると、現時点で航空会社の運航規模は前年比26%減となっており、ある会社はイタリアへの予約が108%減となったり、50%のノーショー率を報告する航空会社が増えていたり、あるいは予約動向を受けて航空会社が無給休暇や昇給停止などの措置をとっていたりするところ。IATAとしては、アジアに限らず全世界でのルールの適用中止によって航空会社が危機に対処する柔軟性を実現したい考えだ。

通年の旅客需要は13%減?

 航空への影響についてIATAは、2月20日付けで航空会社が直面する可能性のある需要と収益の低下についてレポートを発表。これによると、アジア太平洋地域の航空会社は、通年で旅客需要の13%を失う可能性があるという。

 これは当初立てていた2019年比4.8%増の見通しに対して13%減となるというもので、仮に影響度合いが予想通りとすると前年比は8.2%減となる。これを収益に置き換えると、アジア太平洋地域の航空会社が失う収益の総額は278億米ドル(約3兆円)に登るとしている。また、その多くは中国系航空会社が失うこととなり、例えば中国国内市場だけで128億米ドルが損なわれることになるという。

 同地域以外の航空会社も無傷ではなく、減収幅は15億米ドルと想定。影響額の合計は293億米ドルとなり、昨年12月にIATAが示した見通しが5%下振れすることになるという。

 これらの推計は、今回の新型コロナウィルスによる需要減が、SARSの際のように「V字」で回復に転じることを前提としたもので、また日本を含めて今後も感染が拡大すれば影響額はさらに増大することとなる。

 なお、コロラド州を拠点とする商業航空コンサルティング企業Boyd Group Internationalによると、2020年に中国の空港を利用する旅客の数は国際線で2235万人減、国内線で3億9125万人減となる予想。これによると、国際線と国内線の合計旅客数は2019年の推計実績が13億5181万人であったのに対して9億4565万人となり、減少率は30.0%に達すると見ている。

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ホテル稼働率30%以下も、アジア太平洋14ヶ国・地域