ヴァージン・オーストラリアってどんな会社?-羽田就航へ準備着々

ブリスベンの乗り継ぎ利便性アピール
旅行会社を通じて認知度アップめざす

 ヴァージン・オーストラリア(VA)は、3月29日に羽田/ブリスベン線に就航する。日豪路線は、成田/ブリスベン線を運航しているカンタス航空(QF)のほか、全日空(NH)、日本航空(JL)、ジェットスター(JQ)が主要都市に直行便を運航し、さらにアジア系各社も需要獲得に余念がない。そうしたなか、VAは日豪間の旅行市場の拡大に勝機を見出して羽田に乗り入れる。「VAにとって日本市場は非常に重要」と話すインターナショナルセールスマネージャーのリック・ウォーカー氏に、日本市場での取り組みや就航までの準備状況を聞いた。

まず、VAについてご紹介ください
VAインターナショナルセールスマネージャーのリック・ウォーカー氏

リック・ウォーカー氏 (以下、敬称略) VAは今年8月に設立20周年を迎える比較的若い航空会社だ。VAの歴史に触れると、まず2000年8月にヴァージンブルーがLCCとして国内線をスタートし、その後、グループ会社としてヴァージンパシフィック、ヴァージンサモア、Vオーストラリアの航空会社を抱えた。正式に社名が現在の「ヴァージン・オーストラリア」となったのは2011年5月のことだ。現在ではロイヤルティプログラム「Velocity Program」の会員は1000万人にまで増えている。

 2010年にジョン・ボルゲッティがCEOとしてVAに入り、ビジネスモデルをLCCからFSCに移行。2013年1月にはGDSとしてセーバーを導入し、流通が世界規模になった。現在は、リチャード・ブランソンが10%の株を保有し、そのほか中国の海航集団と南山集団、シンガポール航空(SQ)などが主要株主になっている。ヴァージンブランドとして、ヴァージンアトランティック(VS)とも緊密な連携はとっている。

VAの国際線の位置づけを教えてください
VAのA330型機(Airbusイメージギャラリーよりダウンロード)

ウォーカー 現在のところ収益の大部分は国内線で、そのうち約30%がコーポレートだ。そのなかで国際線も強化しており、長距離ではロサンゼルス、短距離では香港やニュージーランドへ乗り入れている。ただし、香港線については厳しい情勢を踏まえて2月11日から運休している。

 VAは国内線で35%のシェアを保持しているが、常に新しいマーケットを探しており、国際線に収益機会を求めているところだ。

そのようななか、3月29日から羽田/ブリスベン線に就航します

ウォーカー 羽田のスロットが獲得できたことで、VAにとって日本は非常に重要なマーケットとなった。VAはブリスベンをハブとしており、オーストラリア国内やニュージーランドへのコネクションも多い。羽田は成田よりも都心に近く、日本の国内線の乗り継ぎでも便利だ。

 日豪の旅行市場は急速に拡大している。2019年の訪日オーストラリア人は約62万人。2018年の訪豪日本人は約43万人。今回の羽田就航は両国での販売にとって完璧なタイミングだ。オーストラリア人にとって、日本は安全で、文化的な多様性があり、歴史も古い人気のデスティネーション。また、日本でのスキー体験も引き続き人気を集めている。両国の観光局も積極的な誘致策を続けており、双方向で市場は今後さらに成長していくと思う。