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エチオピア航空、業務渡航増で成長へ、来夏のデイリー化めざす

アフリカに最速で到達、61都市に送客
乗継支援・トラブル対応にも自信

 エチオピア航空(ET)は2015年4月、初めての日本路線として週3便の成田/香港/アディスアベバ線を開設した。日本からアフリカ大陸に最速でアクセスし、60都市以上に乗り継げる航空会社として異彩を放ち、今年の7月には週5便にまで増加するなど、この4年半で徐々に存在感を高めてきた同社だが、現在はどのような利用状況なのか。そして今後は、確実な拡大が見込まれる日本/アフリカ間の移動需要をどのように取り込んでいくのか、日本地区総支配人の高野哲也氏に話を聞いた。(聞き手:当社代表取締役社長 岡田直樹)

-まずは日本就航からの4年半を振り返ってください

高野哲也氏(以下敬称略) ETは日本就航の前からアジア路線を拡充しており、複数の中国路線に加えて、香港経由の仁川線などを運航していた。13年に日本とエチオピアの間で航空交渉がまとまったのち、翌年に成田線を開設したのは、今後ますます日本からアフリカへの投資が拡大する期待があり、あわせてアフリカから日本への旅客需要も見込めたからだ。そこで週3便を運航していた仁川線の空いた曜日で、週3便の成田線を運航することになった。

 昨年6月には、成田線の経由地を香港から仁川に変更すると同時に、週4便に増便した。新たなステージに向けたアジア路線の再編によるもので、香港への直行便を維持したまま、ともに香港経由だった成田線と仁川線を統合した。香港については引き続き中国本土やフィリピンなどの需要を、仁川経由の成田線については日韓両市場の需要の取り込みを強化したかたちだ。今年7月には週5便へと増便した。

-ETのネットワーク戦略の基本的な考え方について教えてください

高野 世界からアフリカへの旅客の流れを勘案して、北米や欧州、アジア、中東など北半球からアディスアベバへのフライトは基本的に朝に到着し、アディスアベバ以遠への旅客はその後、アフリカの西部や南部などに乗り継いでいく。逆にアフリカの西部や南部などから北半球へ向かう利用者は、夜間にアディスアベバで乗り換えて北半球に向かう。このような大きな流れのなかでネットワークを構築している。

-現在の利用状況はいかがでしょうか

高野 日本発の利用者の柱となっているのは業務渡航者で、JICA(国際協力機構)やJETRO(日本貿易振興機構)など、政府関係の利用者も合わせると約55%に上る。意外だったのが里帰りの日本在住アフリカ人で、約25%と思っていた以上に多かった。観光は少しずつ増えているとはいえ20%程度で、日本ではアフリカ旅行というと南アフリカ共和国など一部の国以外の印象が薄いのが課題となっている。

 成田/仁川/アディスアベバ線の利用者を出発地別で見ると、割合は韓国が50%、日本が40%、アフリカが10%だ。成田線と統合したことで仁川線はノンストップ化したので、韓国では香港経由だった頃に比べて利用客が増え、間際の予約も多いという。現在のロードファクターの平均は70%ぐらいだが、これを75%にまで引き上げるのが当面の目標となる。