エチオピア航空、業務渡航増で成長へ、来夏のデイリー化めざす

アフリカに最速で到達、61都市に送客
乗継支援・トラブル対応にも自信

-次にめざすのは現在の仁川経由便のデイリー化ですか。それともノンストップ化ですか

高野氏 高野 機材繰りに左右されるが、まずはデイリー運航をめざしており、早ければ来年の夏ダイヤで実現したいと考えている。現在は長距離路線用の機材としてB787-8型機、B787-9型機、B777-200型機、B777-300型機、A350型機を需要に応じてやり繰りしているが、そのうち成田線には(比較的新しい)B787型機を優先的に回してもらっているので、今後さらに機材繰りに余裕ができれば実現が可能になると思う。

 ETの本社も将来的には日本とエチオピアをノンストップで結びたいと考えているが、これについても機材の問題が立ちはだかる。アディスアベバの標高は2400メートル近いので、気圧や性能などの問題から、現在のB787型機では満席で離陸して日本まで飛ばすことが難しい。ETの所有機材のなかでは、B777型機であれば問題なくノンストップで運航できるが、その代りに座席数が70席ほど増えるので、増加分に見合った需要の獲得が必要になる。

-今後の成田線の需要拡大をどのように見込んでいますか

高野 先日も横浜でアフリカ開発会議(TICAD)が開催されたが、日本/アフリカ間の交流は拡大傾向にある。今後も日本からの投資は増えることが予想されるし、日本とアフリカ諸国の間で租税条約の合意が進めば、投資家の利便性は増し、業務渡航は確実に増える。その上でETを選んでいただくためには、日本市場においてETの認知度をさらに高めていかねばならない。ETが日本に就航していることさえ、まだ十分に知られているとはいえない。

 ただし、日本就航から4年半が経過し、周囲のETに対する見方や認識が変わってきていることも確かだ。例えば、JICAにはスタッフなどがアフリカを訪れる際に利用していただけるようになった。また、日本・アフリカ連合友好議員連盟の所属議員などにも、積極的にアフリカの航空会社を使っていただいており、色々な意味で勢いは増している。

 現在は日本市場に定着した中東系のエミレーツ航空(EK)カタール航空(QR)なども、就航当初の認知度は低かったが、10年近くかけて市場に浸透していった。ETは彼らほどの広告予算はないので、多少は時間がかかるかもしれないが、10年ほどでノンストップの週7便を維持できるようにしたい。