「世界一普通じゃないエアライン」エルアル・イスラエル航空に聞く
来年3月に成田/テルアビブ線、日本では成功できるか
「最も安全な航空会社」としての姿も紹介
ワイス 運航ルートは北回りルートで、テルアビブを出発後はすぐに北上し、アゼルバイジャンやカザフスタン、ロシア、中国の上空を通って日本へ至るので、迂回は必要ない。途中までは運航中のテルアビブ/北京、香港線と同じルートを通っている。運航にかかる所要時間は成田発が12時間30分、テルアビブ発が11時間30分だ。
他社に比べれば、チェックインなどのために20分から30分ほど余計な時間をいただくことになるが、その代わりに世界最高レベルの安全性が保証されるとなれば、利用者には納得してもらえるはずと思う。いずれにせよ、日本からイスラエル入りするためのトータルの所要時間が、他社の経由便を使うよりもLYの直行便の方が短いことには変わりはない。
ワイス 成田発の旅客の90%以上は、テルアビブで降りてイスラエルへ入国するだろう。とはいえLYはヨーロッパにもネットワークを張り巡らせているので、キプロスやギリシャといった国々への乗り継ぎは有望だと思う。隣国のヨルダンやエジプトなどを訪れる場合は、イスラエルから陸路で入国するのが容易だ。
ワイス エンターテイメントの拡充やWiFiの整備についてはLYの他路線と同様に取り組んでいるが、成田線では特に機内食に期待してほしい。メニューを開発したシェフはアジア料理のエキスパートで、日本に滞在した経験もある。イスラエル料理をベースに、アジア料理ならではのスパイスやハーブなどを取り入れた、ダイバーシティを感じさせるユニークなメニューを提供する予定だ。
キャビンクルーについては20代のイスラエル人が中心で、エネルギッシュで堅苦しすぎない接客を楽しんでもらえると思う。
ワイス 良い質問だが、そのことについては詳しくは答えられない。さらなる安全の確保に向けたものであることは、お伝えしておきたい。
ワイス 就航までしばらく時間があるので、その間に日本市場をよく学び、まずは販売に注力していきたい。就航時期を3月にしたのは、イスラエルで旅行シーズンが始まり、その翌月には日本が桜のシーズンを迎えるからで、続いて夏には東京オリンピックも開催される。まずはイスラエル発の需要をしっかりと取り込んでいきたい。初年度の搭乗率は80%をめざしている。
増便について語るのは時期尚早だが、需要さえあれば可能であることは間違いない。ただしユダヤ教では、金曜日の日没から土曜日の日没までを安息日としているため、土曜日には運航しない。したがってデイリー運航は不可能で、最大で週6便までとなる。