JTB、18年度上期は利益大幅減、天災や海外M&Aなど影響-純損失も

  • 2018年11月20日

会見の様子(左が小林氏)  JTBは11月20日、2019年3月期第2四半期(18年4月1日~9月30日)の連結業績を発表した。売上高は前年比4.4%増の6866億5100万円、営業利益は80.5%減の14億1300万円、経常利益は56.1%減の43億400万円で、最終的に純損失10億6600円を計上。昨年のクオニイ旅行部門のM&Aによる押し上げ効果などで増収となったものの、営業利益と経常利益は相次ぐ国内の自然災害やM&Aに伴う人件費増などにより大幅減となった。

 純損失の計上は09年度以来で、今年4月からのグループ再編に伴う特別損失や、一時的な税金の増加などが影響。なお、税金等調整前純利益については68.2%減ながら33億1800万円の黒字としている。売上原価は5.2%増の5433億5300万円、売上総利益は1.2%増の1432億9800万円、販管費は5.6%増の1418億8500万円だった。

 20日の決算発表会見で同社取締役財務部長の小林高広氏は、自然災害によるキャンセルが、国内旅行を中心に日本人旅行者だけで100億円規模に上ったことを説明。訪日外国人旅行者についても、詳細については不明としたものの「一定の影響はある」と伝えた。

 旅行事業の売上高の合計は1.9%増の5961億5200万円で、このうち海外旅行は7.3%増の2428億5900万円、国内旅行は7.9%減の2658億5600万円、訪日旅行は6.3%減の329億8400万円、海外発海外などの「グローバル旅行」は56.2%増の544億5300万円。62.4%増の315億8300万円となったMICE事業や、商事事業や出版事業などを含む「その他の事業」は24.5%増の904億9900万円だった。

 海外旅行のセグメント別売上高は、ルックJTBが3.7%減で、法人営業が14.7%増、メディアが1.9%増。ルックJTBの減少はミクロネシア方面への座席供給減が大きく、欧州などは堅調を維持しているという。国内旅行はエースJTBが8.9%減、法人営業が4.9%減、メディアが15.2%減。なお、今年から販売を開始したダイナミックパッケージの「ダイナミックJTB」の売上高は、海外・国内ともに全体の1割程度で、小林氏によれば「浸透も含めて、まだまだこれから」とのこと。

 訪日旅行については、団体が落ち込んだもののFITは堅調。取扱額は「サンライズツアー」が地震による催行中止で2.4%減となった一方、宿泊・ツアー予約サイトの「JAPANiCAN.com」は15.1%増だったという。

 なお、今年5月に17年度の連結業績とあわせて発表していた通期の業績見通しについては、グループ再編などに伴い状況が流動化する可能性が考えられることから、具体的なコメントを控えた。5月時点では、売上高は2.0%増の1兆3500億円、営業利益は75.3%増の90億円、経常利益は6.6%増の100億円、当期純利益は389.0%増の51億円を予想している。