ポリネシア人のふるさと、ライアテアとタハア-楽園タヒチの注目スポット
初の世界遺産、「タプタプアテアのマラエ」
バニラの名産地やラム酒の蒸留所も
タヒチ観光局は先ごろにタヒチ島で開催したトラベルマート「パラウ・パラウ・タヒチ(PPT)2018」で、参加した旅行会社を対象にファムツアーを実施し、ボラボラやモーレア以外の離島として注目されているライアテア、タハアの各島を視察した。ライアテア島にはタヒチ初の世界遺産「タプタプアテアのマラエ」があり、タヒチの文化をアピールするためのヒストリカルスポットとして脚光を浴びつつある。
ポリネシアトライアングルの中心、ライアテア
フレンチポリネシア、通称タヒチは5つの諸島群、118の島からなる。ソシエテ諸島の中でタヒチ島に次いで大きいのが148平方キロメートルあるライアテア島で、パペーテから飛行機で約45分。緑に覆われ、川からの水が流れ込む沿岸部はサンゴが育ちにくく、水深が深いため、ヨットやクルーズ船の恰好の寄港地となっている。珍しい動植物が生息し、なかでも滅多に見られない奇跡の花ティアレ・アペタヒはこの島だけに咲くという。中心地はタヒチ第二の都市ウツロアで、風情あるコロニアル調の建物が残される。
ライアテア島は、最初にポリネシアの先祖が辿り着き、ハワイ、ニュージーランド、イースター島を結ぶ文化圏、ポリネシアントライアングルの中心地。およそ1000年前に島南東部のタプタプアテアに作られた石造りの祭祀場「マラエ」には、各島々に分散したポリネシアの人々が巡礼にやってくるなど「ポリネシアの人にとってエルサレムのような場所だった」とガイドのタヒアリイ・ヨラム・パリエンテ氏は説明する。
18世紀以降、キリスト教への改宗で放置されてきたが、1952年から政府による保護が始まり、2017年、周囲の景観も含めたポリネシアの文明として、世界遺産に登録された。復元事業にはハワイ・ビショップ博物館の故・篠遠喜彦氏が貢献したことも知っておきたい。
滞在するには、姉妹島のタハア島に船で渡るか、ライアテア島内にある3ツ星ホテルを利用する。それらの多くはフランス人が経営するペンションスタイルで、インテリアにはオーナーの趣味が色濃く反映されている。シュノーケリングなど自然を生かしたアクティビティが楽しめるほか、たいていは地元の新鮮な魚をメインに使ったポリネシア風のフランス料理を提供し、アメリカ人観光客が多いために英語にも対応している。
なかでも空港から車で10分、島の北西部にあるコロニアル調のライアテア・ロッジ・ホテル(15室)は、後ろは山で目の前が海というロケーション。カヤックでモツ(小島)に行くことができ、ホテル前の環礁内にはクジラもやってくるという。レンタル自転車でウツロアまで30分。オーナーは「タハアに行く前後に泊まるのにちょうどいい」と提案する。
島の南部、タプタプアテアからさらに車で南に10分にあるオポア・ビーチ・ホテルは白で統一した9棟のコロニアル調バンガローが並ぶ。天蓋付きのベッド、珊瑚や貝の装飾などインテリアが可愛らしい。モツでシュノーケリングもでき、新鮮な魚を使った料理は盛り付けもきれいで、女子のFITに受けそうだ。