ポリネシア人のふるさと、ライアテアとタハア-楽園タヒチの注目スポット
初の世界遺産、「タプタプアテアのマラエ」
バニラの名産地やラム酒の蒸留所も
ボラボラ、タヒチ島に新しい動きも
視察ではボラボラやタヒチ島も訪問した。ボラボラ島では2017年にヒルトン・ボラボラがコンラッドブランドとなってアップグレード。客室にBluetoothなど最新設備が備わるなど機能的で内装もモダンになり、タヒチ初のカタマランネットを設置、大きな窓から見渡せる水平線の眺望も開放感に溢れている。プライベートのモツは200人収容するなど大型グループにも対応するほか、島を形成した活火山の名残りである聖地「ブラックロック」もパワースポットとして敷地内に存在。日本マーケットは2番目に多いことから、ゲストリレーションも日本人3人が対応している。
一方、オテマヌ山が正面に見えるバーをはじめ、最高のロケーションにあり、ボラボラ島の王道ともいえるのがル・メリディアン・ボラボラ。水上コテージの大きなガラスの床、ヘレミティチャペルのガラスのバージンロードは同リゾートの大きな特徴でもある。ゲストが救ったカメの保護から、独立した保護施設に発展したタートルセンターにはタッチプールやミニ水族館があり、ゲストは無料で入場できる。カメと一緒に泳げたり、アクティビティも多彩だ。日本人ゲストリレーションも勤務している。
さらに、ボラボラ島最高級ホテルのひとつがセントレジス・ボラボラで、スパを囲むように配置された人工のラグナリウムは透明度の高い水にカラフルな魚が棲み、スノーケリングが楽しめる。アメニティも一流で、ジムやプールは24時間営業であるほか、バトラーサービスも日本人には日本人バトラーが対応するんどサービスもきめ細かい。アメリカ発ブランドということもあり訪問客の8割がアメリカ人、アジアでは中国が全体の15%、それに日本が続くという。
新しい素材としては、4月からシープレーンの運航が始まっており、ハート型に見えるツパイ島のシーニックフライトが可能になっているほか、国内線フライトの代わりにボラボラとライアテア間など島間の移動にも使える。
なお、タヒチ島では、水上バンガローもありリゾートステイもできるインターコンチネンタル・タヒチ・リゾートは年末にかけてリノベーションを実施中。なお、日本人の割合は1割で、平均日数が1.7泊という。
日常とは全く別世界のエメラルドグリーンのラグーン、濃く深い緑に覆われた山々、国花ティアレの甘い香りが織りなす南国の楽園タヒチ。日中は自然を全身で感じ、夜は星を眺め、波の音を聞きながら眠りにつくぜいたくな時間はタヒチならでは。ここに現地の人との触れ合い、ポリネシアの歴史に触れる機会が加われば、競合との差別化にもつながる。手つかずの自然、素朴な暮らし、ペンションでの滞在など、ライアテアやタハアのような島にハネムーン層以外に層を広げるための素材が眠っているように見える。
取材:平山喜代江