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LINEとベンチャーリパブリック、協業で「価格勝負から脱出」

日本の旅行者をLINE経済圏に
差別化に向け施策展開

▽ガイド記事やポイントで差別化、タビナカは「可能性探る」

来栖氏  基本的な収益は「LINEトラベル」経由の成約に対してコミッションを収受する形で上げ、加えて「トラベルジェイピー」のガイド記事などを活かした広告モデルの展開も模索する。取得した位置情報をもとに、ユーザーが自宅や会社などにいると考えられる時には他地域の観光地などに関する情報を、旅行先にいると考えられる場合は近隣のグルメ情報やアクテビティ情報などをプッシュ型で提供する考え。自治体などとの提携案件がすでに進行しており、将来的にはテレビ番組などとのコラボレーションも検討する。

 来栖氏は「トラベルジェイピー」において、500名以上の「ナビゲーター」がすでに2万7000本以上のガイド記事を掲載していることをアピール。「比較検索サイトでは安価な商品にばかり注目が集まりやすく、その他の商品の注目度は低くなりがちだが、ガイド記事は優良な商品の掘り起こしにつながる。タイアップなども活用して日の目を当てることで、商機が生まれる」と意欲を示す。

 そのほか、差別化に向けた独自の取り組みとして「LINE  Pay」によるポイント還元を近日中に開始する。国京氏によれば「基本的に各社のウェブサイトに遷移させることが重要な比較検索サイトでは、会員がログインし、ポイントを獲得する必要性がない。しかし『LINE』のユーザーはそもそも常にログイン状態で、リーチが可能。ポイント還元率などを検索条件に加えて、検索に多様性を持たせるといった展開もできる」とアピールする。

 ポイントの原資は、主に旅行会社や航空会社が負担する仕組みで「商品をプッシュするための一種の広告費と考えていただきたい」と理解を求める。還元率は各社が決められるようにし、各種のキャンペーンやプロモーションへの活用に期待する。LINEもポイントの一部を負担し、自社主導によるキャンペーンなどを実施する考え。

 6月の事業戦略発表会でも強調したタビナカ需要の獲得(関連記事)については「市場は未成熟で、タビナカで大きな利益を上げている会社はない。100%の勝算があるわけではない」との見方を示した上で、「挑戦しない手はない。可能性を探りにいく」と意欲を見せる。来栖氏も「ビジネスとしては未知数だが、我々のウェブサイトを見ても『モノ消費』から『コト消費』にニーズが移っているのは明らか」と同調する。

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