LINEで旅行相談の「ズボラ旅」、1日100名、海外にも意欲
▽「言葉にならない旅のニーズ」をLINEの相談で旅行化
有川氏は加えて、海外OTAの伸長、旅行者のモバイル化の推進などで旅行業界の環境が変化するなか、「サービスに追いついていない旅行会社も多く、我々は素早く時代にあった形でサービスを提供できると感じた」ことも、サービスを開始した要因の1つとして挙げた。
また、OTAは旅行の目的地から宿泊施設などを検索するケースが多く、漠然とした旅行のニーズに対応しにくいことを指摘。「言葉にならない旅行のニーズを旅行という形にするため、(気軽に相談できる)LINEを利用した」という。
ズボラ旅は正式にサービスを開始して約5時間で、数千件と想定外の規模の相談があったことからサービスが一時滞った。有川氏によれば面白半分の相談が多かったためで、1日に100名にサービスを限定したところ成約率は高まり、「ビジネスとして成立する件数になってきた」という。旅行相談の傾向としては、1ヶ月半から2ヶ月先の旅行がほとんど。1人旅のケースが多いが、家族旅行や小規模の社員旅行の相談などもあるという。
現在は対応人数については限定しておらず、約10名のスタッフが相談を受け付けている。スタッフは、利用者のニーズを聞き出す担当と、実際に旅行を提案する、旅行業務取扱管理者の資格を有するスタッフに大別。テスト版で収集した利用者のデータなどを活用し、提案する旅行先を選定するとともに、順次情報をアップデートしているという。
現在は旅行先のおすすめの観光スポットなども案内しており、有川氏は今後は資金調達をおこなうとともに、「将来的には、アクティビティや航空券などの交通機関も他社と提携して提供していきたい」との考えを述べた。上場については「旅行業界は市場が大きいので、上場をしないとスタート地点に立てないと感じている」とコメント。「今は『ズボラ旅』という名称から話題性があり、『面白ニュース』のような扱いのところもあるが、認知度を高めて、旅行サービスのなかで皆が知っているサービスになりたい」と意欲を示した。