LINEで旅行相談の「ズボラ旅」、1日100名、海外にも意欲
LINEのチャット機能を使い、国内旅行の相談と宿泊施設の予約ができるサービス「ズボラ旅 by こころから」を提供する、第3種旅行業者のHotspring代表取締役CEOの有川鴻哉氏は、本誌のインタビューに応え、「4年で『ズボラ旅』を日本トップクラスの旅行サービスにしたい」と意欲を語った。現在は同サービスで1日あたり平均100名超の旅行者の相談に対応しているところ。1年以内には海外旅行の相談と宿泊施設の予約の開始をめざすとともに、将来的にはアクティビティや航空券などの予約に対応し、株式上場をおこなう予定という。
有川氏は2013年、大学在学中にwebデザイナーとして知人と株式会社ペロリを立ち上げ、女性向けキュレーションメディア「MERY」を開始。17年4月に同社を退社し、5月にHotspringを設立した。MERYは16年12月に画像の無断流用などの指摘を受け、ペロリを14年に買収していたディー・エヌ・エー(DeNA)がサービスを停止。17年8月にDeNAが小学館と合弁会社として立ち上げた新会社が11月からサービスを再開した。有川氏はこうした経緯を受け、ズボラ旅を立ち上げる際には弁護士と協議を進め、法令遵守に改めて気を配ったという。
Hotspringは昨年11月、ベンチャーキャピタルや個人投資家を引受先とした第三者割当増資を実施し、5000万円超の資金調達を実施。ズボラ旅は昨年末からテストサービスを開始しており、当初はLINEに加えてFacebookのMessenger機能も使っていたが、やがて利用者が圧倒的に多かったというLINEに窓口を一本化した。今年の5月に同サービスを正式に開始し、日本旅行業協会(JATA)の正会員に入会した。
現在は国内旅行の相談を無料で受け付け、受注型企画旅行としてOTAなどとの提携により宿泊施設の予約・手配を実施。決済はクレジットカードで対応しており、旅行者には宿泊料金に加えて同社の利用手数料を請求している。
有川氏は旅行業参入の理由として、「旅行が好きで、旅行に関わるビジネスをしたかった」と説明。旅行会社の店舗を見学した際、若者を始めとしたインターネットの利用者々が旅先の相談のために訪れているケースが想定以上に多かったことに触れ、「仕事帰りや休みの日にわざわざ店舗を訪問している人を見ると、オンラインの窓口にもニーズがあるのではと考えた」という。
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