（左から）ファミリーマートの和田氏、澤田氏、Aibnb Japanの田邉氏、同社執行役員の長田英知氏 　Airbnbとファミリーマートは5月21日、ファミリーマートの店舗を利用した国内宿泊事業の普及・拡大と、観光需要のさらなる創出を目的とした業務提携について、基本合意した。成長する訪日旅行需要を取り込み、地方創生や地域社会の発展に貢献するために、さまざまな協業を検討していく。

　Airbnb Japan代表取締役の田邉泰之氏は「単なる宿泊体験の提供ではなく、地元と触れ合い文化を体験する体験型旅行の提供をめざすAirbnbは、地域と組んだコミュニティ作りを重視し、各地域や自治体などとの連携をはかっている」とした上で、「47都道府県に店舗を展開し、地域貢献で先を行くファミリーマートに学んでいきたい」と業務提携のねらいを説明。ファミリーマート代表取締役社長の澤田貴司氏は「シェアリングエコノミーがますます拡大し、訪日外国人旅行者が急増するなかで、Airbnbと組み相互送客をはかっていきたい」と意欲を示した。

　具体的には、ファミリーマートの店舗にAirbnb専用の「鍵ボックス」を設置し、Airbnbに部屋を提供するホストと利用するゲストの間で鍵の受け渡しができるようにする。パスポートによるゲストの本人確認をおこなう仕組みも用意する。

　すでに東京と大阪の繁華街にある4店舗で約半年間の実証実験をおこない、店舗側に新たな業務負担がないことを確認したところ。ファミリーマート取締役専務執行役員で新規事業開発本部長の和田昭則氏は、「18年度中に東京を中心に150店舗への鍵ボックス設置をめざす」と意欲を述べた。

　このほか、ファミリーマートではAirbnbのゲストが鍵の受け取りと返却で最低2回は店舗に立ち寄ることから、ゲストにクーポンを提供して滞在中の食品や日用品の購入を促すほか、店頭で販売している高速バスチケットと組み合わせた新サービスも検討する。将来的にはファミリーマートが展開するコインランドリーサービス事業に、Airbnbのユーザーの取り込むことも視野に入れているという。

　これに対しAirbnbは自社のWebメディア「Airbnb navi」や紙媒体の「Airbnb Mag」でファミリーマートのプロモ―ションを実施し、ファミリーマート店頭への送客を後押しする。