17年旅行業倒産は1件増の28件、てるみで負債総額は歴代2位に
東京商工リサーチ(TSR)によると、2017年の旅行業の倒産件数は前年比1件増の28件となり、2年連続で前年を上回った。負債総額は3月に発生したてるみくらぶの大型倒産により前年の約5.6倍の215億7300万円となり、このうちてるみくらぶと関連会社の自由自在の負債額は合計185億1300万円で全体の85.8%を占めた。負債総額215億7300万円は、集計を実施しているこの20年間ではジェットツアーが252億3500万円の負債を抱えて倒産した1998年に次ぐ2位の大きさとなる。
売上高の規模別で、倒産件数が最も多かったのは1000万円以上5000万円未満の会社で、46.4%を占める13件。次いで、1億円以上5億円未満の会社が25.0%を占める7件と続いた。
資本金別では、1000万円以上5000万円未満は17件で全体の60.7%。その他は5000万円以上1億円未満が7件、500万円以上1000万円未満が2件などとなった。従業員別では5人未満が19件で全体の67.9%を占め、その他は5人以上10人未満が5件、10人以上の会社が4件となった。
倒産の原因別では「販売不振」が19件で最も多く、全体の67.8%を占めた。以下は「既往のしわ寄せ(赤字累積)」が3件、「他社倒産の余波」「放漫経営(事業上の失敗)」がそれぞれ2件で続いた。形態別では、事業消滅型の破産が25件で全体の89.2%を占め、残りの3件は取引停止処分だった。
休廃業や解散については64件で、このうち資本金1000万円以上5000万円未満の会社が5割を、1000万円未満および個人企業が4割を占めた。件数については公開していない。
12月単月の倒産件数は前年並みの1件で、負債総額は100万円減の3000万円。日本旅行業協会(JATA)の会員で名古屋市の第3種旅行業のスカイバンクが破産したもので、JATAでは債権者向けに弁済業務保証金制度の認証申出を受け付けている。限度額は300万円。
なお、17年の宿泊業の倒産件数は3件減の78件で、負債総額は71億3800万円増の502億9800万円だった。宿泊業の詳細は別途記載(下記関連記事)。