観光庁、若者の海外旅行活性化で初の検討会、12月7日に開催
観光庁は12月7日、「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」の第1回会合を開催する。政府が「明日の日本を支える観光ビジョン」で「若者のアウトバウンド活性化」を掲げるなか、若者の海外旅行の阻害要因や今後の旅行の活性化のための方策について検討するもの。2017年度内に3回程度の会合をおこない、3月末までに取りまとめをおこなう計画だ。
観光庁が海外旅行の振興に関する検討会を開催するのは今回が初めて。同庁によれば、15年に45年ぶりに訪日外国人旅行者数が日本人出国者数を上回って以降、出国者数が伸び悩む現状を受けたもので、「観光先進国実現のためには、双方向の人的交流の拡大が重要であり、若者の海外旅行を一層促進していく必要がある」と開催の理由を説明している。
同検討会は当初は16年度内に立ち上げて議論を開始する予定だったが、委員の選出などの検討に時間がかかり、立ち上げが遅れていたところ。なお、政府は5月に決定した「観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2017」でも、検討会を立ち上げ、日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会と協調し、具体的な方策を検討することを明記している。
ちなみに観光庁はこれまでも若者の旅行振興に取り組んでおり、10年から12年まで「若者旅行振興研究会」を開催し、若者の旅行振興策に対する提言をまとめ、13年から学生に旅の意義や旅行の魅力などを伝える「若旅★授業」などを実施してきた。14年から16年までは毎年「若者旅行振興連絡会」を開催して産学官で意見交換をおこなっており、こうした取り組みは今後も継続するという。
検討会の委員は有識者と、観光庁や外務省など関係省庁の代表で構成。オブザーバーとしてJATA海外旅行推進部長の權田昌一氏が参加する。構成委員は以下の通り。
▽「若者のアウトバウンド活性化に関する検討会」委員名簿
・委員
森下晶美氏/東洋大学国際観光学部国際観光学科教授
髙井典子氏/文教大学国際学部国際観光学科大学院国際学研究科教授
安部敏樹氏/リディラバ代表理事
清水直哉氏/TABIPPO代表取締役社長
原田曜平氏/博報堂博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー
國谷裕紀氏/JTB総合研究所コンサルティング事業部コンサルティング第二部研究員
・行政委員
佐藤大輔氏/外務省領事局海外邦人安全課課長補佐
川村康二氏/観光庁参事官(産業政策担当)観光人材政策室長
山内将平氏/観光庁参事官(産業政策担当)総括課長補佐
太田雄也氏/観光庁観光資源課総括課長補佐
滝澤朗氏/観光庁参事官(国際関係担当)総括課長補佐
・オブザーバー
齋藤潔氏/文部科学省高等教育局学生・留学生課企画官(命)留学生交流室長
權田昌一氏/日本旅行業協会(JATA)海外旅行推進部長