キュナード、22年に新造船導入で4隻体制に、日本にも

  • 2017年9月26日

新造船のイメージ  キュナード・ラインは、2022年に12年ぶりの新造船を導入すると発表した。近年の世界的なクルーズ需要の拡大を見込んだもので、11万3000トン・乗客定員3000名を予定。船名や客室数などの詳細については追って発表する。親会社のカーニバル・コーポレーションがこのほど、イタリアのフィンカンティエリ社への発注を決定した。

 キュナード・ラインは現在「クイーン・メリー2(QM2)」「クイーン・ヴィクトリア」、10年に導入した最も新しい「クイーン・エリザベス(QE)」の3隻を運航。4隻による運航は1998年以来となる。新造船はオーシャンライナーのQM2のように大西洋横断などには使わず、QEなどと同様にヨーロッパや世界一周クルーズ、新たなデスティネーション用などに使われる見込み。スケジュールの発表や予約の開始は20年頃を予定する。

児島氏  同社の日本での販売などを担当するカーニバル・ジャパンで、キュナード・ライン事業部長を務める児島得正氏は、9月26日に開催した発表会見で新造船の概要について説明。日本発着クルーズや日本への配船などに関しては「現時点ではまったく未定」としながらも、本社に日本への就航を強く働きかける考えを示し、23年頃には日本を含むアジアでのクルーズを実施したいとした。

 児島氏は、19年には毎年実施しているQEの世界一周クルーズを中止して、日本にも配船を予定していることなどを改めて紹介した上で、「右肩上がりで増えている日本人に乗っていただくことは、本社でも確実に議論される」と説明。一方で「キュナードの客船で日本を旅行したいという外国人の需要も高い」ことから、引き続き日本発着クルーズについては日本人限定とはしない方針を示した。

 カーニバル・ジャパンは2020年までに、日本発着クルーズの実施などで日本人乗客数を現在の2.5倍から3倍程度に増やす考え。今年3月にはQEで神戸から初の日本発着クルーズを実施しており、18年3月には大阪発着クルーズを予定する。これらはQEのワールドクルーズの途中で日本に寄港する区間クルーズだが、19年には日本にQEを配船して、横浜発着の2本のクルーズを実施。22年以降に4隻体制となれば、日本発着クルーズはさらに増加する可能性がある。