アウト促進協のセミナーシリーズ開幕、第1弾は南太平洋
「モアナ」の舞台のポリネシアと
素朴なメラネシアの魅力を深掘り
日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会は8月24日、同協議会が今月から年末にかけて計9回にわたり予定するデスティネーションセミナー「プランナーのための 新しいトレンドをつくるプロの視点」の第1弾として「南太平洋の新しい観光素材」を開催した。同協議会はこれまでにも3月の「韓国旅行緊急復活フォーラム」など、単発のセミナーは開催しているが、今後は政府観光局や航空会社、ランドオペレーターなどの協力のもと、集中的なセミナーにより活動を本格化させる。
第1回はポリネシアのクック諸島、トンガ、メラネシアのソロモン諸島、バヌアツを紹介するもので、いずれも年間の日本人旅行者は1000人に満たないデスティネーション。しかしJATAによれば「通常ならマイナーなデスティネーションのセミナーは開催中止となるケースもある」というなか、同協議会の本格的なセミナーの第1弾ということもあり、旅行会社の商品造成担当者など44名が参加した。
セミナーの冒頭では、同協議会オセアニア・大洋州部会大洋州部会長を務める日本旅行営業企画本部海外旅行事業部チーフマネージャーの上大信康氏が挨拶し、「南太平洋には知られざるエリアがまだまだある。その情報を発信することが旅行会社の使命」と強調。改めて、旅行会社として新たなデスティネーションを開拓して、市場に提案してくことの重要性を示した。
セミナーの前半はニュージーランド航空(NZ)アカウントマネージャーの江本淳氏によるプレゼンテーション「南太平洋離島路線のネットワークについて」で開始。冒頭では今春に日本公開された、ポリネシアを舞台にしたディズニー映画「モアナと伝説の海」の映像の一部を紹介した上で、ポリネシア全域に展開している同社の路線網について紹介した。本誌の取材に対しては、現時点で日本人の海外旅行への効果は軽微ではあるものの「作品はDVD化されて形として残る。そうすれば何かあるたびに『これがモアナの世界です』とアピールすることができる」と述べ、長期的な影響に期待を示した。
続いてクック諸島観光局局長の森啓三郎氏が「クック諸島の魅力」と題したプレゼンテーションをおこない、同国の概要を紹介。ニュージーランド人も多く訪れるインフラが整ったデスティネーションであることを説明するとともに、クック諸島を代表する美しいラグーンのあるアイツタキ島への日帰りツアーなどを提案した。年間の日本人訪問者数は数百人規模とまだまだ少ないながらも、近年は増加傾向にあるという。
続いて、ランドオペレーターのUTIジャパンから営業部セールスチームリーダーの星井孝之氏が登壇。親日的な王族が暮らす宮殿や「ハアモンガの三石塔」、独特の華やかな装飾が施された墓場など、トンガならではの魅力について、現地での駐在経験も交えて語った。
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