国内旅行業況、17年2Qは16ポイント増-訪日も9ポイント増
日本旅行業協会(JATA)が5月22日から6月12日にかけて、会員614社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2017年4月から6月までの3ヶ月間の国内旅行のDI値(※)は2ポイントとなり、前期(1月~3月)よりも16ポイント増、前回発表した見通しからは4ポイント増加した。旅行会社からは「九州の需要が回復傾向にある」といった声や、「個人旅行は九州、沖縄は人気だが団体旅行は方面が分散している」などのコメントが寄せられた。
業態別では「リテーラー1」が39ポイント増の20ポイント、「総合旅行会社」が37ポイント増の18ポイント、「リテーラー2」が21ポイント増の5ポイントとそれぞれプラスに転じた。「ネット系旅行会社」も24ポイント増のマイナス43ポイントと増加した。一方で「国内旅行ホールセラー」は33ポイント減のマイナス33ポイント、「インハウス」は14ポイント減のマイナス7ポイントにそれぞれ減少。「国内旅行ホールセラー」からは「ゴールデンウィークが終了し、夏の繁忙期まで全体的に受注が鈍い」といったコメントがあったという。
方面別では全方面が前期を上回り、北海道が21ポイント増のマイナス4ポイントと最も増加。以下は九州が18ポイント増のマイナス4ポイント、東北が16ポイント増のマイナス25ポイント、近畿が14ポイント増のマイナス10ポイントと続いた。顧客層別でもすべてが前期を上回り、最も増加したのは職場で25ポイント増のマイナス6ポイント。以下は教育が17ポイント増のマイナス4ポイント、招待・報奨が16ポイント増のマイナス12ポイントと続いた。
17年7月から9月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で4ポイント減のマイナス2ポイントを予想する。旅行会社からは「沖縄本島への需要が堅調」や「北海道の間際の申し込みが増加傾向にある」といったコメントが寄せられた。リテーラーからは「募集型企画旅行・手配旅行ともに安近短が圧倒的」といった声が挙がった。
業態別では「ネット系旅行会社」が28ポイント増のマイナス15ポイント、「インハウス」が12ポイント増の5ポイント、「国内旅行ホールセラー」が11ポイント増のマイナス22ポイントにそれぞれ改善する見込み。一方、「総合旅行会社」は12ポイント減の6ポイント、「リテーラー2」は12ポイント減のマイナス7ポイント、「リテーラー1」は10ポイント減の10ポイントを予想した。
方面別では、東北が8ポイント増、北海道が6ポイント増、甲信越が1ポイント増と引き続き増加する見込みだ。横浜や浦安を含む東京は今期並みで、その他の方面は減少する見通し。最も減少するのは愛知・岐阜・三重で、6ポイント減のマイナス17ポイントを予想する。
顧客層別では、ファミリーが15ポイント増の5ポイントとプラスに転じるほか、OLが3ポイント増のマイナス16ポイント、1人旅が1ポイント増のマイナス17ポイントを予想する。一方、職場は14ポイント減のマイナス20ポイント、教育は13ポイント減のマイナス17ポイントと、ともに2桁減に。他の方面も今期を下回る見通しだ。
なお、17年10月から12月までの3ヶ月間については、国内旅行全体で3ポイント減のマイナス1ポイントになると予測した。
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※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱いなし」の4つを用意し、集まった回答を数値化したもので、設問事項に対する全体的なトレンドを示す指標となる。すべての回答が「良い」の場合はプラス100。JATAの調査では会員会社にアンケートを実施し、業態、顧客別、方面別にDI値を算出している。