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南アフリカ、近隣諸国と連携で観光促進、中小企業や女性の活躍も支援

  • 2017年6月28日

「I / WE DO TOURISM」で国民の意識を醸成
中小事業者支援の取り組みに手応え

中小規模の旅行事業者への支援を強化
5年間で観光業の要職の30%に女性を

90の中小旅行業者とバイヤーの間で商談がおこなわれた「ヒドゥン・ジェムズ・パビリオン」

 南アフリカ観光局は、観光業の促進に向け、昨年から中小規模の旅行事業者を「ヒドゥン・ジェムズ(隠れた宝石)」と称してその支援に注力しており、INDABA会場には、昨年に引き続き専用の商談スペース「ヒドゥン・ジェムズ・パビリオン」が設けられた。今年は、国内9州から計90社のセラーが選抜され、南アフリカ観光局の指導およびサポートを受けてブースを出展、国内外からのバイヤーたちとの間で熱心な商談が行われた。

「200%の成果」と語るタバ・レハエ・ゲストロッジのシャイ氏

 選抜された90社のひとつ、2009年に開業したルステンブルクのタバ・レハエ・ゲストロッジのオーナー、イズラエル・シャイ氏は「旅費、宿泊費、出展料の負担もなく、プレゼンテーションのためのワークショップも設けられた」と、ヒドゥン・ジェムズの取り組みをたたえる。「サンシティに近いわれわれのロッジは、立地はいいが知名度がない。とにかく知ってもらうことが第一」とシャイ氏。INDABA前日、バイヤーに対してプレゼンテーションの機会が与えられ、それが効率的に商談に結びついたと語り、今回の成果を「200%」と評価した。

5ツ星クラスのプロパティを集めたパビリオンも新しく登場

 大規模な観光見本市に出展するのは経営規模の大きなセラーに偏りがちだが、バイヤーからも「中小規模の事業者の素材を知る機会が得られてありがたい」との声が聞かれている。今回のINDABAでは、南アフリカのプレミアム商品への注目を促すべく、5ツ星クラスのホテルやツアーなどの観光関連企業27社を集めたパビリオンも初めて設置された。主催者発表によれば、3日間の会期中に会場全体で行われた商談件数は、前年比20%増の2万件以上に上っている。


女性の活躍支援で官民連携

今年4月に就任したトコジレ・カーサ新観光大臣

 さらに、中小事業者に加えて女性の活躍を促す政策も打ち出された。女性初の観光大臣となったトコジレ・カーサ氏は、「5年以内、つまり22年までに観光関連企業や団体の上級管理職および役員などの要職に占める女性の割合を30%に上げること」を目標に掲げている。

 「ウーマン・イン・ツーリズム30 in 5(WiT 30 in 5)」と名付けられたこの取り組みは、今後、国内大手旅行グループ企業ツアーヴェストCOOのジュディ・ウォケディ氏の主導により、民間セクターと国の観光部門との協力で進められていく予定だ。カーサ大臣は、会期中に行われた女性の交流夕食会にも出席、女性たちの躍進に期待を寄せた。

 リンポポ州ベンベのブースで会ったマケダ・コーザ氏は、大手旅行会社勤務後、地元ベンベでミヤラニ・トラベルを立ち上げた女性起業家だ。地元に眠る観光素材を発掘して旅行者を呼ぶためには、地域の人々に旅行業の価値を理解してもらうことが不可欠であることを痛感しさまざまな活動をおこなってきたというコーザ氏は、WE DO TOURISM始動とともに、女性の活用に関してカーサ大臣が言質を与えたことを歓迎する。中小事業者及び女性の活躍が南アフリカの観光業をどう変えていくのか、国内外ともに期待は大きい。