朝鮮半島情勢、現在は旅行に影響少なく-各社の対応
▽現時点で旅行や滞在を控える必要なし-官房長官
外務省は4月11日に「海外安全ホームページ」で、韓国を対象とする注意喚起のスポット情報を発出。「直ちに日本人の安全に影響がある状況ではなく、危険情報は出ていない」と前置きした上で、旅行者に対しては報道などから最新の情報を収集することなどを呼びかけている。あわせて、滞在が3ヶ月未満の旅行者には「たびレジ」への登録、3ヶ月以上の場合は在留届の提出を求めた。
内閣官房長官の菅義偉氏は12日の会見で、外務省のスポット情報について言及。外務省と同様に、直ちに日本人の安全に影響がある状況にはないとの見方を示した上で「現時点で韓国への旅行や滞在を控える必要はない」と語った。韓国に滞在する日本人の安全確保については、米国や韓国と緊密に連絡を取り、高度の警戒と監視を続ける方針を示した。
韓国観光公社(KTO)は13日午前の時点で「観光への影響については現時点では把握できていないが、旅行者からの問い合わせなどはない」と回答。今後については「日本人の訪韓旅行は回復傾向にあるので、何事もないことを願っている」と述べるにとどめ、事態を注視する方針を示した。16年の訪韓日本人旅行者数は前年比25.0%増の229万7893人で、昨年6月から今年2月までは9ヶ月連続で増加を続けている。
観光庁には一般消費者から、予定している旅行のキャンセルを求める問い合わせが数件あったという。本誌の取材に対しては「韓国で何か有事が起きている訳ではないので、現時点で特段の対応は考えていない」と説明した。
そのほか、あるリスク管理に関するコンサルティング会社は「朝鮮半島の情勢は報道されているように緊張した状況にある。外務省の情報を参考に引き続き注視していく」とコメントした。ここ数日のうちに、顧客の企業から渡航の是非に関する質問が数件寄せられたという。