成田、17年中間は減収減益、中国人の購買減など影響

  • 2016年11月13日

▽通期予想を下方修正、営利は56億円減に

 通期の連結業績予想については、下期もリテール事業の減収が予想されることなどを踏まえて、5月13日に発表した前回の予想から収益および利益の全項目を下方修正した。営業収益は前回予想比で117億円減の2183億円、営業利益は56億円減の393億円、経常利益は50億円減の351億円、当期純利益は37億円減の237億円を予想。前年通期の実績比でも減収減益を見込むが、営業収益、経常利益、当期純利益についてはいずれも民営化以降第2位となる見通し。

 航空取扱量についても予想を修正。総航空機発着回数は、前回予想から0.9%増の24万7000回で、5期連続で過去最高を予想する。国際線はアジア方面を中心とした増便や新規就航により1.4%増の19万4000回と、2期連続で過去最高を予想。国内線は0.9%減の5万2000回とした。

 旅客総数は0.1%増の3915万人に修正。このうち国際線は昨年冬ダイヤに就航した羽田/中国路線などの影響が一巡することに加えて、引き続き中華圏を中心に訪日需要の増加を見込み、0.3%減の3203万人を見込む。国内線は搭乗率の向上やLCCの新規就航・増便を受けて2.0%増の712万人とした。

 夏目氏はそのほか、16年度からの3ヶ年の新たな中期経営計画として策定した「イノベイティブNarita2018~世界最高水準の空港を目指して~」について言及。「減収減益で始まったが、中計で掲げた目標に向けて各種施策は着実に実行していると認識している」と説明した。また「売り上げの面では爆買いが沈静化し減少してしまったが、昨年があまりに良すぎた反動にすぎない。中国人旅行者は依然として増加しているし、先行きに不安感はない」との見方を示した。

 また、記者の質問にも応えて、ドナルド・トランプ氏が米国の次期大統領に決定したことにも言及。「航空会社にとって成田空港の重要性は変わらない。引き続き、アジアと北米との結節点としての役割を担い続けるための施策を着実に実行する」と説明し、その上で「市場は株価が乱高下したりしているが、米国や日本、アジアの経済が引き続き堅調に推移するとともに、両国の緊密な協力関係が今後とも継続することを願っている」と述べた。