成田、17年中間は減収減益、中国人の購買減など影響
成田国際空港(NAA)によると、2017年3月期中間決算(16年4月1日~9月30日)の営業収益は前年比3.8%減の1058億円だった。営業利益は8.4%減の235億円、経常利益は10.2%減の212億円、当期純利益は5.6%減の145億円で減収減益となり、営業収益は5期ぶり、各利益は2期ぶりの減少となった。NAAによると、中国人旅客の空港内店舗での購買額減少などが影響したという。
事業別で見ると、空港運営事業は営業収益が1.5%増の531億円、営業利益が4.5%減の44億円の増収減益だった。NAAによると、営業収益は航空機材の小型化による平均着陸重量の減少などで空港使用料収入が伸び悩んだものの、国際線外国人旅客数の増加にともない旅客施設使用料収入が増加したことで微増。一方、営業利益については退職給付費用の増加などにより減少した。
リテール事業は営業収益が11.4%減の385億円、営業利益が16.6%減の113億円と減収減益に。円高や関税率の引き上げなどによりいわゆる中国人旅行者の「爆買い」が沈静化し、子会社の物販・飲食収入、一般テナントからの営業料収入が減少したことが響いた。11月11日に開催した決算発表会見でNAA代表取締役社長の夏目誠氏は、リテール事業の減少で非航空収入のシェアは昨年の中間期と比べて2ポイント減の53%に低下したことを説明。通期では、1ポイント減の54%を見込んでいるという。
このほか、施設付帯事業は営業収益が0.7%減の153億円、営業利益が4.0%増の75億円で減収増益に。鉄道事業は営業収益が1.6%増の14億円、営業利益が13.9%減の2億円で増収減益となった。
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