9月の世界航空需要は7%増、日本は個人消費の減少で0.7%減
国際航空運送協会(IATA)によると、2016年9月の全世界における旅客輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は前年比7.0%増となった。RPKは有償で搭乗した旅客数に輸送距離を乗じたもので、航空会社の輸送サービスが利用された量を表し、結果として需要の大きさを把握可能。IATAでは、欧州でのテロ事件などの影響によって8月のRPKが4.6%増に留まっていたのに対し、7.0%増は今年3月以降では最大の伸びであることから、順調に回復傾向にあるとの見方を示している。
また、航空会社が運航した座席数に輸送距離を乗じた有効座席キロ(ASK)は9月の全世界計で6.6%増。ASKは座席供給量、つまり航空会社による輸送サービスの生産量を把握できるもの。この結果、ASKをRPKで除して求められる、有償旅客による座席利用率のロードファクターは0.3ポイント増の81.1%となった。
ただし、国際線についてはRPKが6.9%増、ASKが7.2%増となり、ロードファクターは0.2ポイント減の80.4%。RPKを地域別で見ると、中東が11.5%増と最も伸長し、次いでアジア・太平洋が8.3%増、アフリカが8.0%増、ラテンアメリカが7.1%増となったものの、欧州と北米はそれぞれ5.2%増と3.3%増に留まった。
一方、国内線のRPKは7.2%増で、ASKが5.5%だったことによりロードファクターは1.3ポイント増の82.6%。日本は個人消費の減少などにより、RPKが0.7%減と減少し、ロードファクターは主要市場のなかでは最も低い0.6ポイント増の72.9%に留まった。