海外旅行業況、16年2Qは9ポイント減-韓国が回復傾向
日本旅行業協会(JATA)が5月25日から6月10日にかけて会員548社を対象に実施した旅行市場動向調査で、2016年4月から6月までの3ヶ月間の海外旅行のDI値(※)はマイナス40ポイントとなり、前期(1月~3月)から9ポイント減少した。今回の調査では、より詳細なデータの取得を目的として、業態別区分で「ネット系旅行会社」を追加。また、見通し数値についてもこれまでの「3ヶ月後」に加え「6ヶ月後」の数値を発表した。
海外旅行の動向について旅行会社からは、ハワイや東南アジアが堅調で、韓国も回復傾向にあるとの声が挙がった。一方、「パッケージ商材で扱える座席数が少なく、個人旅行はOTAに流れている」とのコメントもあったという。
業態別では「海外旅行系旅行会社」が12ポイント増のマイナス6ポイント、「総合旅行会社」が8ポイント増のマイナス63ポイント、「海外旅行ホールセラー」が5ポイント増のマイナス48ポイントと上昇。「リテーラー2」と「インハウス」は減少し、リテーラー2は3ポイント減のマイナス39ポイント、インハウスは18ポイント減のマイナス40ポイントとなった。また、新たに設けられた「ネット系旅行会社」は8社が回答し、マイナス50ポイントだった。
方面別では、韓国が12ポイント増のマイナス52ポイントと最も増加。次いで、ヨーロッパが8ポイント増のマイナス64ポイント、ハワイが2ポイント増のマイナス1ポイント、中国が同じく2ポイント増のマイナス61ポイントでそれぞれ増加した。
顧客層別では、教育旅行を除く学生が11ポイント減のマイナス59ポイントと減少したものの、それ以外の項目はすべて前期から上昇。最も成長したのは「商用・視察」で7ポイント増のマイナス14ポイントとなり、次いでハネムーンが5ポイント増のマイナス37ポイント、インセンティブが3ポイント増のマイナス29ポイント、ファミリーが同じく3ポイント増のマイナス42ポイントとなった。
※DI値は設問事項に対して「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」の4項目を用意し、集まった回答を数値化したもの。回答数から「取り扱っていない」と回答したものを除いた数を母数として、各回答のシェアを算出し、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いて、景気動向指数に加工している。
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