九州7県が観光情報交換会、各県の「いち押し」アピール
九州物産観光斡旋連絡協議会はこのほど、「平成28年度第1回九州ブロック観光情報交換会」を開催した。九州7県の東京事務所が参加する同協議会は、観光情報交換会を毎年4回開催しており、今回は旅行・観光関連のメディアや旅行会社などから約50名が出席した。
セミナーでは、各県が「わが県の今年のいち押し」を共通テーマにプレゼンテーションを実施。熊本地震の影響が大きかった熊本県と大分県は、震災後の現状を説明した。
熊本県は、熊本城や熊本市動植物園、阿蘇地域の一部の観光施設などが休業中であるほか、震災復興関係者の宿泊を優先しているため、熊本市内の宿泊確保が難しい場合もあることを紹介。今年のポイントとして天草地域をアピールし、2月に新型機を導入した天草エアライン(MZ)や、シークルーズ社が7月から新たに運航する、船内で日本洋菓子協会連合会のコンクール優勝者が監修するスイーツが楽しめる“スイーツクルーズ”「エルミラ」号などについて説明した。
大分県は、一時通行止めになっていた大分自動車道の由布院インターチェンジ/日出ジャンクション間が5月9日から開通し、国県道も規制は残るがいずれも迂回路が確保されていることを報告。別府旅館ホテル組合に加盟している112軒の旅館のうち、111軒が営業していることなどを紹介した。「いち押し」としては、「九州の屋根」と言われる久住高原を取り上げ、自噴温泉のかけ流しの湯が楽しめる「パルクラブ大地乃湯」や炭酸泉の「長湯温泉」などの温泉と、乗馬体験やグルメ、豊後大野市のジオパークなどをアピールした。
福岡県は、4月に東九州自動車道が県内区間を全線開通したことを受け、沿道の観光地として、築上町の旧蔵内邸や豊前市のうみてらす豊前などを紹介。来年にユネスコ世界遺産への登録をめざす「宗像・沖ノ島関連遺産群」についても解説した。佐賀県は、今年が有田焼創業400年のため、九州陶磁文化館を中心に「有田焼創業400周年記念イヤー事業」を展開していることを説明。佐賀市で10月から11月にかけて開催される「熱気球世界選手権2016」や、10月に開業するバルーンミュージアムについて触れ、熱気球を利用した観光プロモーションにも力を入れる考えを示した。
長崎県は、文化庁が認定する「日本遺産」の「日本磁器のふるさと 肥前~百花繚乱のやきもの散歩~」や、「鎮守府 横須賀・呉・佐世保・舞鶴」をアピール。宮崎県は、宮崎市青島海水浴場に昨年、約30年ぶりに復活し人気を集めている青島ビーチパークや、新たな観光施設が相次いで開業している油津商店街などを紹介した。鹿児島県は、ユネスコ世界遺産の「明治日本の産業革命遺産」に関係する、旧集成館機械工場などの施設を取り上げるとともに、2年後に明治維新150周年を迎えることから、明治維新に関係した観光スポットを説明した。