観光白書、16年版テーマは訪日需要取り込み、収入増加策も
政府はこのほど、2016年版の観光白書を決定した。観光白書は日本の観光の状況や、政府が前年度に講じた施策およびこれから講じる施策などについて収録し、毎年国会に提出しているもの。今年版は「平成27年の観光の動向」「平成27年度に講じた施策」「平成28年度に講じようとする施策」の3部に加え、観光収入の増加策などについて述べたテーマ章「成長する世界の旅行市場を我が国の活力に~『世界が訪れたくなる日本』への飛躍~」の全4部で構成している。
テーマ章では、世界の総旅行者数が30年に18億人に達するとの予測を紹介した上で、世界の観光における現在の日本の位置づけなどについて解説。今後、増加する諸外国の旅行需要を取り込み、観光による収入を増やしていくためには、観光産業の品質向上や生産性の向上が必要とし、平均滞在日数の増加や欧米豪からの旅行需要の取り込みが必要である旨を説明した。また、日本が比較的弱いとされる自然やスポーツなどの分野について、改善をはかることの重要性も示した。
そのほか、旅行会社や宿泊業者については「訪日旅行市場の急速な拡大などの変化に応えられておらず、人材育成も不十分」と指摘。観光系大学において経営系の学科を増やす必要性があることなどを説明し、環境整備によってビジネスモデルの転換をはかり、日本の観光産業を国際競争力のあるものに育てるべきと強調した。