港湾局、クルーズ船社と寄港地のマッチングサービス開始
国土交通省は4月1日から、クルーズ船社に対し「クルーズ船寄港地マッチングサービス」の提供を開始した。閣僚級会議「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」が3月30日に発表した、訪日クルーズ旅客数を2020年までに500万人に拡大する目標や、クルーズ船寄港の「お断りゼロ」の実現に向けた取り組みの第1弾としておこなうもの。同日付で港湾局産業港湾課に新設した「クルーズ振興室」に「クルーズワンストップ窓口」を設けて展開する。
同課によれば、15年のクルーズ船の日本への寄港回数は前年比5割増の965回(速報値)。急増を受けてクルーズ船社が希望日の寄港予約を取りにくいケースが発生しているため、同課は寄港地を探すクルーズ船社とクルーズ船の寄港を期待する自治体などのマッチングをはかり、さらなる寄港促進をめざすという。
同サービスでは「クルーズワンストップ窓口」が、全国の港湾関係者や地方自治体の首長からなる「全国クルーズ活性化会議」から、あらかじめクルーズ船の寄港環境に関する情報を収集。クルーズ船社から寄港地の問い合わせがあった場合、寄港可能な港湾を抽出し、クルーズ船の大きさや寄港希望日などに応じて紹介する。
なお、「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」が3月30日に発表した新たな中長期ビジョンでは、北東アジア海域を「カリブ海のような世界的なクルーズ市場」に成長させることや、クルーズ船の寄港を活かした地方創生、「世界に誇る国際クルーズの拠点」の形成、瀬戸内海や南西諸島などの新たな国内クルーズ周遊ルートの開拓、ラグジュアリー船の就航、寄港地の全国展開に向けたプロモーションなどにも取り組むとしている。