HIS、「地方創生コンソーシアム」設立、情報一元化しプロモ
エイチ・アイ・エス(HIS)は3月1日、異業種の民間企業などからなる16社・団体と「地方創生・観光プロモーションコンソーシアム」を設立した。参画する企業、団体、自治体、観光協会を取りまとめて窓口を一本化し、各者のコンテンツの強みを活かした観光プロモーションを展開するためのもので、スマートフォン用アプリなどITを活用して地方創生をめざす。
同コンソーシアムには現時点で、HISの200軒以上の海外店舗、同社が運営するウェブサイトの「HISクーポン」と「スマ宿」、H.I.S.ANAナビゲーションジャパン(HAnavi)、韓国のオンラインショッピングサイト「INTERPARK TOUR JAPAN」、着地型観光商品予約サイト「アクティビティジャパン」、飲食店予約サービスなどを提供するイーパーク、印刷会社の共同印刷、約200名のテレビ局アナウンサー経験者が所属する「局アナnet」などが参画。HISでは今後、全国に約1700ある自治体と観光協会のすべてにも加盟を促す考え。
HISが同日に自治体向けに開催した説明会では、同社代表取締役社長の平林朗氏が地方創生について「ハウステンボスやラグーナテンボスなどの事業を各地で展開する弊社にとっては重要なテーマ」と強調した上で、急拡大している訪日旅行需要については「地方における需要は未成熟で、確立されていない」と指摘。「今まで海外旅行の分野でおこなってきた取り組みなどのノウハウを今後は訪日旅行に活かし、異業種企業のコンテンツと組み合わせることで、地方創生にさまざまな形で貢献したい」と述べた。
同社新規事業開発室室長の村松知木氏は、コンソーシアムの内容についてプレゼンテーションを実施。発足の背景には、スマホ世代や訪日外国人旅行者、首都圏などの幅広い消費者層に地域の魅力を普及するために、ITやソーシャルメディアを用いたアプローチが必要との考えがあったことを説明した。
コンソーシアムでは、HISが提供している「HISクーポン」を活用して、各者が全国の観光案内所などにおいて紙媒体で配布している情報を電子パンフレット化。100万人を超える会員に対して、旅行前の段階から各地方の情報を発信してプロモーションをおこなうほか、旅行中にも観光施設や飲食店などのクーポンなどを配布する。旅行後には「HISクーポン」の利用状況やビーコンで取得した情報などをもとに、旅行者の属性や行動、自治体のプロモーションなどに関する費用対効果などの分析データを提供する。
村松氏は各自治体からの出席者に対して、観光案内所やアンテナショップ、自治体の観光アプリなどに関する情報提供を求めた。自治体のコンソーシアムへの参画は無料で、第1号の参画自治体には「ふるさと名品オブ・ザ・イヤー」のベスト・デジタル観光パンフレット部門を受賞した長崎県佐世保市を選出したことを説明。なお、民間の観光協会については岩手県の「けんぽく会」など30施設が参画する。
※訂正案内(編集部 2016年3月3日 10時15分)
・第4段落1文目
新規事業開発室室長の村松知木氏の名前を誤って記載しておりました。お詫びするとともに訂正致します。