JATA、3年目のインターンシップ開始、産官学連携で人材確保へ
日本旅行業協会(JATA)は2月1日、今年で3回目となる大学生向けのインターンシップを開始した。観光庁と会員の旅行会社25社の協力のもと実施するもので、今年は計13大学から45名が参加。首都圏の観光関連学部を持つ大学に加えて、早稲田大学など関連学部のない大学からも学生を募った。JATA事務局長の越智良典氏は本誌の取材に対して「観光関連の学部はもちろん、それ以外の幅広い学部からも、優秀な学生が旅行業界に来てほしい」と語った。
越智氏によると、昨年のインターンシップでは約100名の学生が参加したものの、学生からは「旅行会社によって体験する実務のレベルが異なる」などの指摘があったため、今回は旅行会社と学生の数を削減して均質化をはかる。また、大学の指導教員に対しては各学生の推薦状の提出を求めるなど、インターンシップの事前と事後のフォローを徹底して、学生の理解度の向上と産学の連携強化をめざす。参加する学生には旅行会社への就職に結びつけてもらうだけでなく「就職しなかったとしても、旅行業界のファンになってもらいたい」という。
この日は、すべての学生が一同に介して「集合導入教育」を開始。観光庁観光産業課係長の小俣緑氏が旅行業界の現状や課題に関して講演をおこない、「旅行業に憧れてインターンシップに挑戦していると思うが、現場を客観的に見て、良い部分だけでなく(理想と現実の)ギャップもきちんと見てほしい」と呼びかけた。
JATAからは事務局長の越智良典氏と広報室長の矢嶋敏朗氏が、旅行業の魅力や実際の業務などについて説明。越智氏は「旅行会社の仕事は正直に言ってきつい」と述べた一方で、「お客様から『本当に楽しかった』と言ってもらえるなど、達成感や感動が目に見えてわかる。こんなに面白い仕事はほかにない」と魅力を語った。
今回のインターンシップでは、1日から11日までの間に9日間のプログラムを実施。2日目にはビジネスマナー研修をおこない、3日目から5日目までと、6日目から8日目までについては、学生が3日間ずつ2社で業務を体験する。最終日にはグループ討論をおこない、9日間の研修を振り返る予定だ。
※インターンシップの詳細は後日掲載予定