「新・観光立国論」受賞記念で豪華討論会-二階氏や閣僚など一同に
▽二階氏、国家予算増額や観光業界の地位向上を要望
一億総活躍担当大臣の加藤勝信氏は、政府が目標とする年間の国内総生産(GDP)600兆円の達成において「観光は大きな比重を占める。大きな柱にしたい」と強調。また、ビザ取得要件の緩和によって東南アジアなどからの訪日外国人旅行者が増えたものの、それに伴って犯罪が増えたわけではないとし、「懸念にはしっかり対処しながら、規制改革を進めることが必要」との考えを示した。
経済産業大臣の林幹雄氏も「年間GDP600兆円は観光の力で達成することが可能。一億総活躍社会や地方創生にも繋がる」と期待を示した。訪日外国人旅行者の誘致に向けては、外国人目線での戦略策定が重要と強調。そのほか「最終的には人が大事。いかに情熱を持って取り組めるか」などと述べた。
前文部科学大臣の下村博文氏は2020年の東京オリンピック大会に向けて関連イベントを多数開催し、効果を全国に波及させたい考えを表明。専用の認証ロゴを作成し、日本各地で既存のイベントも含めて20万ヶ所の開催目標を掲げた。そのほか、文化庁が推進している「日本遺産」の取り組みについても、認知度の向上に努めるべきとした。
自民党観光立国調査会長の山本幸三氏は、データ解析やターゲットに的を絞ったマーケティングの必要性を強調。日本の観光業におけるムードについては、「おもてなし」という言葉に依存するなど「情緒的になりがち」と指摘して、警鐘を鳴らした。
これらの意見を受けて二階氏は、1つ1つのアイデアを具体的に実行に移していくことの重要性を強調。その支援のためには国家予算のさらなる増額や、観光業界の社会的地位の向上が必要と訴えた。アトキンソン氏は京都を例に挙げた上で「日本の観光都市は国際的な評価は高い一方で、訪問者数などの実績が伴っていない」と指摘。しかし「このギャップはチャンスでもある」と語り、市場調査や分析の強化を提案した。