インドネシア、16年日本人は55万人目標-観光ビザ緩和でMICE強化も
インドネシア共和国観光省は先ごろ、メディア向け懇親会を開催した。同省ビジットインドネシアツーリズムオフィス日本地区事務所代表の成田忠彦氏は本誌の取材に応え、2016年は日本人の年間訪問者数として55万人をめざす考えを示した。
同省によると、今年から日本を含む30ヶ国を対象に観光客の到着ビザの取得を30日以下の滞在に限り免除したことで、順調に海外からの観光客数が増加しているという。緩和対象の国をさらに拡大することで、19年までに海外からの年間訪問者数2000万人、日本人100万人の達成をめざす。
同事務所チーフマーケティングオフィサーの高橋直美氏によると、15年1月から9月までの外国人訪問者数の累計は前年比3.53%増の719万1771人。日本は3.23%増の36万6144人と「順調に増加している」という。同氏によれば、海外からの訪問者数の1位はシンガポールで、以下はオーストラリア、マレーシア、中国、日本と続いており、同省ではこれらの上位5ヶ国を重点地域として、16年からプロモーションを強化する予定。日本人が主に訪れるバリやジャカルタ以遠のデスティネーションの需要喚起をはかる考えで、バリからはロンボク島やコモド島、スンバ島、フローレス島、ジャカルタからはスラバヤやバンドンなどの近距離のデスティネーションを訴求していく。
成田氏によれば、ビザ取得要件の緩和により大型団体の問い合わせが増加傾向にあるといい、インセンティブツアーなどでは日本を含む全世界から1000名の大型団体の受注もあったという。今後はMICE実施団体へのサポートとして、アクティビティの提供や空港での出迎えなどのプログラムも検討していきたいとした。
さらに、16年からは同観光省のロゴマーク「ワンダフル・インドネシア」を積極的に活用し、ブランディングを強化していく。新聞などのメディアや旅行会社のパッケージツアーのパンフレット、各種イベントなどで露出し、認知度の向上をはかる。成田氏によれば、現在はプロモーションの具体的な内容や手法などを計画しているところだという。