現地レポート:佐賀、16年はチャンスの年、国内外の注目集まる
有田焼は「400周年」
世界遺産やラムサール条約も
歴史ある神社や酒蔵の鹿島市
6言語のおみくじで訪日客にも対応
海外からの注目という意味では鹿島市も負けておらず、特に「祐徳稲荷神社」にはタイ人の旅行者が急増している。権宮司の鍋島朝寿氏によると、以前はパラパラとしか見かけなかったタイ人が、4月は多い日で約200名が訪れたという。
増加のきっかけはタイで放映された映画やドラマのロケ地になったことだが、昨今は海外からの目によって日本の魅力が再発見されるケースも多く、ここも同様の可能性を秘めているだろう。神社としても、ブームを一過性に終わらせないよう、東南アジアの参拝者を意識した匂いつきのお守りや6ヶ国語対応のおみくじを用意しているという。
この神社の見どころは、地上から約18メートルの高さにある本殿。階段でしか上ることができず不便さもあるが、見晴らしがとても良い。鍋島氏によると、足腰に不安を抱える高齢者などの参拝を補助するためのシースルーエレベーターを建設中で、16年春には完成する予定だという。
また、神社から車で5分の距離には、白壁造りの町並みが残る「肥前浜宿」エリアがある。ここには、江戸時代から続く酒蔵が点在する。九州は焼酎がメジャーだと思われがちだが、佐賀は日本酒造りが盛ん。2011年の「インターナショナルワインチャレンジ」で、富久千代酒造の「鍋島」が応募総数468銘柄中1銘柄だけに贈られる「チャンピオンサケ」を受賞した実績もある。酒蔵によっては見学も可能で、「峰松酒造場(肥前屋)」では日本酒、焼酎、甘酒、果実酢、リキュールなどの試飲ができる。