現地レポート:佐賀、16年はチャンスの年、国内外の注目集まる
有田焼は「400周年」
世界遺産やラムサール条約も
春秋航空日本(IJ)と有明佐賀空港活性化推進協議会は、10月21日から23日の間、首都圏の旅行会社を対象に佐賀県でFAMツアーを共催した。九州のなかでも他県に比べて旅行先としての認知度が低く、旅行商品の数も少ない佐賀県。しかし、2015年のUNESCO世界文化遺産への初登録や16年の有田焼400周年などにより、国内外からの注目が高まると期待できる。本レポートでは、FAMツアーで視察した佐賀県の観光素材と現地の最新情報とともに、旅行先として充分な可能性を秘める佐賀県の魅力を紹介する。
400年の歴史を持つ「有田焼」
日用品から皇室御用達の店も
今回のツアーでは、有田町、武雄市、鹿島市、佐賀市に加え福岡県南西部にも訪問したが、特に参加者から注目を集めていたのが有田町だ。佐賀県の西部に位置する有田町は、「有田焼」の原産地として知られている。有田焼は、豊臣秀吉が朝鮮出兵の引き上げ時に連れ帰った陶工「李参平」を祖とする磁器で、伊万里港から海外に輸出された歴史から海外での評価も高い。町には李参平を祀る「陶山神社」があり、境内にある磁器製の鳥居や狛犬、欄干が珍しい。
神社の入口までの通りには有田焼の小売店が並ぶ。中でも「深川製磁本店」は、皇室御用達の窯元として質の高い有田焼を販売する。2階の資料館では、これまで皇室に献上した品のレプリカや、明治時代にパリ万博で展示した品を鑑賞できる。見学には事前予約が必要で、定員は15名前後。この展示室は参加者からの評価が特に高く、既存のツアーに新たに組み込む考えを示した企画担当者もいた。
今回は訪問できなかったが、有田町にはろくろや絵付けなどの体験施設も豊富で、ニーズに合わせた商材が選べる。来年は李参平が有田町で磁器に適した石を発見してから400年目を迎える記念すべき年で、これに合わせたイベントなどで国内外への有田町の露出が増える見込みだ。