現地レポート:佐賀、16年はチャンスの年、国内外の注目集まる

  • 2015年12月1日

有田焼は「400周年」
世界遺産やラムサール条約も

原風景を活かせる観光資源
ラムサール条約や世界遺産登録で再注目

「東よか干潟」の風景。撮影時はシチメンソウが紅葉で赤く染まっていた。シオマネキ、ムツゴロウ、ワラスボなどの生息地でもある また、第3者の評価によって価値が示される観光地もある。例えば、佐賀市内の「東よか干潟」は、クロツラヘラサギやヘラシギといった絶滅危惧種の鳥類が飛来するなど生態系に重要な役割を持つことから、5月にラムサール条約湿地に追加。これを機に、市としても教育旅行などへの利用を模索している。

 同様に、「三重津海軍所跡」も15年に佐賀県では初めて世界文化遺産として登録されており、改めて情報発信に力を入れている。併設する「佐野常民記念館」でもVRスコープなどのCGを使ったプログラムを新たに導入した。

VRスコープを規定の場所で覗くと、当時の海軍所の風景や様子が映し出される仕組み 旅行業界全体として、「佐賀」に関する知識や関心が不十分であることは残念ながら認めざるを得ないだろう。今回のFAMツアー参加者も半数以上が初訪問で、視察先についても事前にはほとんどが知られておらず、IJも意欲に反して増便を実現できない状況だ。

 しかし、上記の通り注目すべき理由は揃いつつあり、特に16年は有田焼400周年や、あるいは19年ぶりに熱気球の世界選手権も開催が予定されているところ。こうした機会を有効活用し新たな旅行先として開拓していきたい。

各船に船頭がつき、柳川の歴史や観光情報などの案内をしてくれる。川下りの途中には水上で軽食を買うことができる店もあった  なお、FAMツアー最終日には柳川など福岡県南西部も視察して周遊の可能性も感じられた。有明佐賀空港でも、タクシーやレンタカーのキャンペーンを実施しており、有田町や鹿島市を含む佐賀県内の7エリアと、福岡県の6エリアを含むリムジンタクシーを1000円から利用可能だ。




取材協力:有明佐賀空港活性化推進協議会、春秋航空日本
取材:本誌 李有眞