カナダが大型商談会、旅行者増で高まる日本市場への期待
日加間の航空ネットワーク拡大が追い風に
16年はプロモ予算増で旅行者数6%増めざす
カナダ観光局(Destination Canada)は10月中旬、大阪で「フォーカス・カナダ・ジャパン2015」を開催した。これは日本市場に特化した商談会で、昨年の東京開催に続き、今年で2回目となる。日本/カナダ間の航空ネットワークが拡大するなか、カナダへの日本人旅行者数も増加を続けていることから、カナダ旅行業界の日本市場に対する関心は高く、今回は昨年を上回るセラーが集まった。
ゴールドスティーンCEO、日本市場拡大に自信
日本からカナダへのアウトバウンド市場は好調に推移している。昨年のカナダへの日本人旅行者数は、日本/カナダ間の航空座席供給量が増加したこともあり、前年比13.1%増の23万9000人。今年も好調は続いており、1月から7月までの実績は3.9%増の13万7233人となっている。フォーカス・カナダ・ジャパンのために来日したカナダ観光局CEOのデービッド・ゴールドスティーン氏は、「日本のアウトバウンド市場全体が伸び悩んでいるなかで、いい結果になっている」と評価。来年以降についても「日本市場を拡大させていけるだろう」と自信を示した。
こうした背景から、カナダ観光局では2016年度(1月~12月)の日本向けプロモーション予算を15年度比で8%増やすことを決めた。また、旅行者数の目標も6%増となる25万3000人に設定している。
大きな効果生み出す「チームカナダ」と「カナダシアター」
ゴールドスティーン氏は、日本でのプロモーション活動についても言及。各州/準州の観光局が協力体制を築く「チーム・カナダ」については、「日本での取り組みは、他のマーケットのテンプレートになるものだ」と発言。カナダと日本の双方の旅行業界と強いパートナーシップを築けていることに加えて、コンテンツ・マーケティングでも大きな効果を生み出していると高く評価した。
カナダ観光局では、日本での成功例を参考に、ドイツで同様の取り組みを試験的に始めている。ただ、マーケットによって事情が異なる部分もあることから、それぞれの特性に合わせて、チームカナダを構成していく考えだ。
さらに、日本市場で独自に展開している「カナダシアター」についても、市場の拡大に貢献しているとの認識だ。今後も17年のカナダ建国150周年に向けて、さまざまなコンテンツを展開するとともに、テーマ性をもった旅行商品の紹介を継続していく。日本地区代表のモリーン・ライリー氏は「来年からカナダ建国150周年関連の商品造成について、旅行会社と本格的な話し合いを始める」と明らかにした一方、「重要なことは、17年のアニバーサリー後も日本人旅行者数を維持・増加させていくこと」と強調。カナダシアターの目的の1つがその課題解決にあるとの見解を示した。
このほか、ゴールドスティーン氏は日本市場の予約チャンネルについて、「依然として旅行会社が重要な役割を持っている」として、引き続き旅行会社が新しいカナダを発見し、消費者に提案できるような手助けをしていく考えを示した。また、「カナダはcoldではなくcoolなデスティネーションであることをアピールしていきたい」とも強調した。
来年のフォーカス・カナダ・ジャパンは同じく10月に東京でおこなう予定。ゴールドスティーン氏は「フォーカス・カナダ・ジャパンは、カナダのサプライヤーが直接日本の旅行業界と顔を合わせられる貴重な機会」と位置づけるとともに、多くのセラーとバイヤーが一堂に会した今回の商談会を「成功」と評価し、来年も同じ形式で継続していく方針を明らかにした。